世界遺産の無人島で過ごすリゾート体験 ーメキシコ・コステル海の旅(後編)

ダイバーの聖地でノンダイバーが楽しめる体験の数々

世界中のダイバーが憧れるメキシコ・コルテス海。ダイバー憧れのエリアでの過ごし方はダイビングだけでない。メキシコ本土とババ・カリフォルニアに挟まれた紺碧の海は、ダイビングなどの海のアクティビティの他にも、他の土地ではなかなか遭遇できない驚きと感動の体験が目白押しだ。

前編は海上での体験を紹介してきたが、後編では世界遺産の無人島、平和を意味するラパスの街を紹介する。



▼世界遺産の無人島、静寂の世界で時を忘れる

バレンティーナ号から離れ、ロスイスロテスから15分ほど離れた海にぽっかりと浮かぶ無人島エスプリットサント島に上陸した。岩壁に囲まれた遠浅のビーチ。どこか映画「紅の豚」のポルコの隠れ家に似ている。海の色は太陽の位置によって変わり、太陽が高い昼間はコバルトブルーに輝く。

エスプリットサント島にはビーチアクセス

ここは、ユネスコ世界自然遺産「カリフォルニア湾の島々と保護地域群」の一部。複雑な地形が生み出す豊かな生態系と自然が後世に残すべき遺産として認められている。ビーチの奥に進めば、メキシコらしいサボテンの群生が広がり、そのまま直進すると20分ほどで対岸にたどりつくという。

さまざまな形のカサボテンが群生

ファン・バハでは、この白浜のビーチにキャンプ施設を設置している。宿泊用テントが5つ、それぞれ簡易のベッドが2脚ずつあり、寝袋も用意。冷え込む夜でも安心して睡眠がとれる。トイレや真水を貯めたシャワーもある。

カヤックやスタンドアップパドルなどのアクティビティーも楽しめるが、最高に贅沢な過ごし方は、リクライニングチェアーに座り、コルテス海に沈む夕陽を眺めること。耳に届くのは波の音だけ、片手にはキンキンに冷えたセルベッサ。時が止まったように、あたりは静寂に支配される。

夕陽を浴びながら時を忘れるカヤックで穏やかな海に滑りだす

そして、夜。明るすぎる月が沈むと、夜空には満天の星空が広がり、流れ星が漆黒の中で光の尾をひく。携帯もWiFiも通じない世界でババ・カルフォルニアの自然とつながる。朝になると、沖に停泊するバレンティーナ号からスタッフが簡単な朝食を運んでくれた。今度は、コーヒーを片手に椅子に座り、朝の海を眺める。また、海面の色が変わっていた。



▼「平和」の街、ラパスでカラダもココロも開放

船を降りてラパスに到着。アイスクリームを片手に海岸線の遊歩道をのんびりと散歩する。コルテス海に沈む夕陽に目を細めながら、ゆっくりと変化する空の色彩を鑑賞。マリーナにはクルーザーの帆柱が並び、遊歩道のベンチではカップルが語らう。上質な絵画のような風景。ラパスとは「平和」という意味だ。

ラパスは気ままにぶらぶらできる街

ラパスにはコルテス海の観光拠点として世界中から観光客やダイバーが集まる。ババ・カルフォルニアの先端ロス・カボスの一大リゾートと比べると、静かで、文字通りピースフルな空気にあふれている。

海岸線には遊歩道が続く

それでも、海岸沿いにはカラダもココロも開放してくれるリゾートが点在する。そのひとつが街の中心から10分ほど離れた場所にある「コスタバハ・リゾート&スパ」。ラパス一の高級のリゾートとして人気を集めている。18ホール・パー72の「コストバハ・ゴルフクラブ」も併設。ゲーリー・プレイヤー・シグニチャー・コースとして2010年11月にオープンした。全ホールのうち14ホールがコルテス海を望む。

極上のリゾートライフが楽しめるコスタバハ

ダイニングはプールバーも含めて6ヶ所。なかでも「スタインベックス」はラパス最高級レストランとして名高い。店内にディスプレイされた数々のヴィンテージ・テキーラも必見だ。スパ「espiritu」では、五感が喜ぶトータルケアを提供している。

▼アエロメヒコ航空、B787でメキシコへ快適空の旅

今回取材に協力してくれたアエロメヒコ航空(AM)は、現在、成田/メキシコシティー線を週3便で運航している(復路はティファナ経由)。2013年10月からは、最新鋭のボーイング787ドリームライナーに機材を変更した。ビジネスクラス32席、エコノミークラス211席の計243席。従来のボーイング767よりも提供座席数が増えた。

清潔感あふれる最新787のメインキャビン

787は運航効率を増しただけでなく、湿度、騒音などキャビンの居住性もアップグレード。乗客にもやさしい機内環境を整え、これまで以上に快適なメキシコへの空の旅を提供している。成田便では、客室乗務員に加えて日本人機内通訳も同乗。日本語でサポートしてくれるのも安心だ。

日本人機内通訳は頼もしい存在だ

メキシコシティーからラパスまでは2時間半ほど。同日乗り継ぎが可能で、メキシコシティー空港での入国・乗り継ぎもスムーズだ。AMは2014年夏スケジュールには、成田線を週3便から週4便に増便する計画。ますます、メキシコ、そしてバハ・カリフォルニアへの旅が便利になる。


  • 取材協力 : アエロメヒコ航空/クラブ・アズール
  • 取材・記事 : 山田友樹

みんなのVOICEこの記事を読んで思った意見や感想を書いてください。

観光産業ニュース「トラベルボイス」編集部から届く

一歩先の未来がみえるメルマガ「今日のヘッドライン」 、もうご登録済みですよね?

もし未だ登録していないなら…