訪日旅行者を受け入れている企業は約半数、最大の課題は「言語」

日本政策金融公庫総合研究所が小売業、宿泊業、飲食店、旅客運送業を対象に実施した「外国人観光客の受け入れに関するアンケート」調査で、外国人観光客が訪れる状況について「よくいる(4.6%)」「たまにいる(47.8%)」と認識している企業が約52.4%となることがわかった。約半数の企業が訪日旅行者と接点を持つ結果だ。

また、1か月あたりの外国人観光客数の平均は41.6人。外国人観光客が「よくいる」企業の平均は243.2人、「たまにいる」企業では10.1人という結果となり、「よくいる」企業に、より多くの旅行者が集まっている傾向といえそうだ。

日本政策金融公庫総合研究所資料より

来店している外国人旅行者の出身国などを複数回答で尋ねた回答では首位が中国。続いて韓国、アメリカ、台湾と続いていいる。JNTOが発表している訪日外客数では台湾が首位、続いて韓国、中国と続いており、実際に日本を訪れている人数と企業側の受入れで差があることがわかる。この調査では、運輸、宿泊以外の小売業などが含まれており、観光関連以外の業種で来店状況が異なることが想定される結果だ。

日本政策金融公庫総合研究所資料より

▼訪日客「できれば受け入れたくない」が3割超、言語の理由が6割強

一方、回答社の35.4%が、今後外国人客を「できれば受け入れたくない」と回答。特に小売業が39.5%と最も多く、飲食店は27.1%、宿泊業は25.4%、旅客運送業は18.2%と3割に満たない。「できれば受け入れたくない」理由は、「外国語が分からない」が63.9%でとびぬけて多く、言語の不自由さが最大の理由となっている。そのほか、「受入れ方が分からない」(25.3%)に続き、「マナーが悪い」(19.5%)、「トラブルが増える」(18.1%)といった、受け入れた経験から訪日客の受入に消極的になる企業もあるようだ。

「積極的に受け入れていきたい」は11.3%、「受け入れても良い」は53.2%で、6割強は受入に肯定的。特に宿泊業と旅客運送業で多かった。「外国人のお客を増やすために取り組みたいこと」では、「商工会議所・商工会や観光協会など公的機関との連携」が26.3%と最多。ただし、「積極的に受け入れていきたい」企業に限ると、「外国人向けのメニューやパンフレット等の作成」(38.9%)、「外国語に対応できる人材の確保」(33.2%)、「外国語に対応したホームページの作成」(28.6%)など、外国語での対応を重視する意見が多かった。

同調査は日本政策金融公庫国民生活事業および中小企業事業の融資先のうち、2012年の観光・レジャーを目的とする外国人の訪問率の高い上位20都道府県(沖縄除く)にある対象4業種に実施したもの。改修数は2643社で、小売業が68.9%、飲食店が27.2%、宿泊業が2.2%、旅客運送業が1.7%だった。

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