JALグループ決算、営業費用増加で増収減益、燃油費上昇が重荷に ―2014年3月期

JALグループは2014年3月期連結業績を発表した。それによると、売上高は前年同期比5.7%増の1兆3093億円となったものの、営業費用が同9.5%増の1兆1425億円となったため、営業利益は同14.6%減の1667億円、経常利益は同15.2%増の1576億円、当期純利益は同3.2%減の1662億円となり、増収減益という結果になった。

決算会見では、日本航空の植木義晴社長が「増収減益が続き、加えて円安による燃油費の上昇や競争環境の激化など、取り巻く環境は厳しさを増している」とコメント。一方、「こうした厳しい時こそさまざまな課題に果敢にチャレンジし、2014年度を増収増益に向かうターニングポイントにしたい」考えを示した。

【国際線】商品・サービス向上を推進

旅客数は2.6%増の772万3293人、旅客収入は7.6%増の4375億円増収に

国際線旅客では、ボーイング787の運航拡大によって収益最大化を図るとともに、新シート導入などで商品・サービスの向上を推進した。ボーイング787の運航差異化によって、6月には成田/サンディエゴ線、7月には成田/ヘルシンキ線を開設。このほか、需要に応じて供給の調整を行った。また、2014年4月からはブリティッシュ・エアウェイズ(BA)との共同事業にフィンエアー(AY)が加わったことで、ネットワークを強化するとともに利便性を向上させた。商品面では、ボーイング777-300ER「SKY SUITE 777」の導入路線を拡大したほか、ボーイング767-300ER「SKY SUITE 767」の導入も始めた。

この結果、2013年度の有効座席キロは同3.3%増、有償旅客キロは同4.0%増となり、需要の伸び率が供給の伸び率を上回った。有償旅客数は同2.6%増の772万3293人。有償座席利用率は同0.5ポイント増の76.5%。旅客収入は同7.6%増の4375億円と増収となった。


【国内線】ネットワーク拡充やコラボ企画で需要喚起

旅客数は2.6%増の3121万8734人、旅客収入は0.5%増で4874億円増収に

国内旅客では、羽田・伊丹の発着枠拡大にともなって、大幅に国内線ネットワークを拡充。営業面では、「特便割引21」を新たに設定したほか。年末年始期間には「先得割引」「スーパー割引」の設定便を拡大した。さらに、東京ディズニーリゾート30周年記念のタイアップ企画により需要を喚起。国内ダイナミックパッケージ「JALじゃらんパック」の販売を開始したほか、各種アプリのアップグレードも行った。

これにより、2013年度の有効座席キロは同1.8%増、有償旅客キロは同3.2%増となり、国際線旅客と同様に需要が供給を上回った。有償旅客数は同2.6%増の3121万8734人。有償座席利用率は同0.9ポイント増の64%。旅客収入は同0.5%増の4874億円と増収となった。

2015年3月期の連結業績予測では、羽田国際線発着枠の使用が想定を下回ったものの、売上高で前年度よりも406億円多い1兆3500億円を見込む。一方、営業費用も円安による燃油費増を想定し、前年度よりも675億円増えると予想。これにより、営業利益1400億円、経常利益1350億円、当期純利益1150億円といずれも前年度を下回ると予想している。

みんなのVOICEこの記事を読んで思った意見や感想を書いてください。

観光産業ニュース「トラベルボイス」編集部から届く

一歩先の未来がみえるメルマガ「今日のヘッドライン」 、もうご登録済みですよね?

もし未だ登録していないなら…