日本商工会議所、観光庁の「観光立国の行動計画」に意見書、電子ビザ導入や乗継客の無査証入国制度など要望

日本商工会議所は「『観光立国実現に向けたアクション・プログラム』改定への意見」を、国土交通大臣の石井啓一氏、および観光庁長官の田村明比古氏に提出した。同アクション・プログラムは、政府が今年3月に新たに目標設定した「明日の日本を支える観光ビジョン」を踏まえ、「観光立国実現に向けたアクション・プログラム2016」として5月中をめどに取りまとめが行なわれている。

意見書の内容は主に、(1)インバウンドの拡充発展、(2)国内観光の促進、(3)観光基盤の整備、(4)緊急に対応を要する事項(観光に関わる安全対策)の4点。

例えば(1)インバウンドの拡充発展では、ビザの発給要件の戦略的な緩和について経済成長が著しいアジア諸国や訪日拡大の可能性のある国を優先するとし、ミャンマーやカンボジア、ラオスも対象に含めることを進言。あわせて電子ビザの導入やトランジット客向けの無査証入国制度の導入の検討も要望した。

また、宿泊供給能力の拡大として、宿泊施設への民間投資促進のための優遇措置や支援措置の拡充などを要望。民泊については衛生・安全の確保と観光促進を両立させる制度設計を官民一体で進める必要があるとした。このほか、公共交通機関の共通パス発行による利便性向上とともに、旅行者のパスポート情報を紐づけ、免税手続きやホテルチェックインなど様々な活用策の検討も促した。

将来の需要掘り起こしに対しては若者層の旅行促進のため、小学校から学校教育において観光に関するプログラムを導入することを要望。若者向けの優遇商品の造成などの必要性にも言及した。

このほか、旅行者の安全・安心の確保として、地震などの自然災害を前提に展開を考える必要があるとし、危機管理体制の強化の対応も要望。地方自治体や事業者、自治会などと連携した災害時情報提供ポータルサイトの構築や的確な災害情報発信システムの整備、災害時の初期対応を含むマニュアル整備と研修、訓練の実施なども必要とした。

提出した意見全文は日本商工会議所のホームページへ。


日商「観光立国実現に向けたアクション・プログラム」改定への意見(本文)(PDF)

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