JAL/日本航空、2013年度連結決算は営業費用増加、増収減益

JAL/日本航空(JL)は2012年度3月期(2012年4月1日〜2013年3月31日)の連結業績を発表した。それによると、グループ連結の売上高は前期比2.8%増の1兆2388億円と増収となったものの、営業費用が同4.4%増の1兆435億円となり、営業利益は同4.7%減の1952億円、経常利益は同6.0%減の1858億円と減益。当期純利益は同8.0%減の1716億円を計上した。

国際旅客では、13年ぶりの太平洋新規路線として4月22日にボストン線、12月2日にサンディエゴ線を開設。アジア線では、10月末から成田/デリー線および成田/シンガポール線で増便を行った。尖閣諸島問題で需要が落ち込んだ中国線については、速やかな減便を行うことで収支への影響を最小限に抑えた。これにより、有効座席キロベースで同4.0%増となった。

一方、需要面では、欧米・東南アジアへの旅行需要が好調に推移し、共同事業パートナーのアメリカン航空の販売網を生かした集客も図ったほか、夏休み期間に合わせたビジネスクラスのスペシャル運賃、長期滞在用のロングバケーション運賃などを投入したことで、有償旅客キロベースで同12.3%増加、有償座席利用率も同5.6ポイント増の76.1%となった。これにより、国際旅客の収入は同5.5%増の4066億円となった。

国内旅客では、羽田からの各方面および復興需要が見られたと東北発着路線を中心に増便や機材の大型化を実施。福岡/花巻線、札幌/新潟線の再開、下期には羽田/出雲線、札幌/仙台線、福岡/宮崎線で増便を行った。この結果、有効座席キロベースでは同2.6%増となった。

需要面では、「先得割引」と「スーパー先得」で、55日前購入で従来よりもさらにお得となる運賃を加え、年末年始期間にも「先得割引」と「スーパー先得」をはじめて設定した。また、スマートフォンなどのモバイル端末から「JALダイナミックパッケージ」の予約・購入ができるサービスを開始。最終的に有償旅客キロベースで同3.4%増加、有償座席利用率も同0.5ポイント増の63.1%となった。国内旅客の収入は同0.9%増の4852億円。

JLは合わせて2013年度連結予想も発表。ヘルシンキ線の開設や国内線での伊丹路線の増便などを見込み、売上高を2012年度よりも331億円多い1兆2720億円とした。一方、供給量の拡大にともない燃油費や運航施設利用費の増加を見込むほか、市況の想定を足元の燃油・為替状況にあわせて設定したため、連結営業費用も2012年度よりも884億円増加と予想。その結果、連結営業利益を552億円減の1400億円と予想している。

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