経団連がクルーズ振興へ提言、「国家戦略として加速すべき」

日本経済団体連合会は、このほど「クルーズ振興に向けた提言」をまとめた。日本の観光で一般的でなかった様々な魅力を有するクルーズは、今後の高齢化社会において市場が伸びる余地が十分にあるとし、「国家戦略としてクルーズ観光を振興し、全国各地の活性化と雇用創出、さらには我が国の経済社会の発展に繋げていくべき」としている。

そのため、政府が重点的に取り組むべき事項として、以下の4点を提示した。

  1. 入国手続きの簡略化・迅速化・円滑化
  2. 外国人旅行者に対する査証発給要件の緩和・見直し
  3. クルーズ振興に関する体制強化と関係機関の連携
  4. 外国人旅行者に係る消費税免税制度の抜本的な見直し

特に1の「入国手続きの簡略化」については、大型クルーズ船で航行中の入国審査手続きを完了する「海外臨船審査」の積極的な実施や、運行会社が発行するクルーズカードでの上陸許可など、他国での対応状況を踏まえた新しい仕組みを大胆に構築・導入すべきと提案。3についても、国土交通省内に設置されているワンストップ窓口に加え、クルーズ振興に関する政策立案・総合調整機能を付与することが望ましいと要望した。

また、近隣諸国がクルーズハブの構築を国家戦略として進めていることから、日本においても国・地方・官民が連携し、国家戦略としてクルーズ振興を加速していくべきとも指摘し、以下3点を提起した。

  1. 港湾整備から外国人旅行者に対応した旅行商品の開発等を含む「インフラ・受け入れ体制の整備」
  2. 市場の柱となる国内クルーズ拡大のための「休暇の取得促進」
  3. 変化に富む島々や海岸線などの強みを活かした「海からの視点による地域の新たな魅力の発信」

さらに、クルーズ観光の意義・効果について経済的側面などのデータや事例の集積・分析を推進することや、新たな旅行形態としてのクルーズ浸透を図る必要性を指摘。経団連としてもアジアでの観光交流拡大を見据え、政府や日本政府観光局、関係団体などとの連携を進めていく意向を示した。


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