ANA、2016年に国際線が国内線を上回る計画に、羽田と成田のデュアルハブを明確化

全日空(NH)は2014-16年度のグループ中期経営戦略で、2016年度の国際線生産量(座キロベース)を2013年度比約45%増とし、ANAとして初めて国内線生産量(座キロベース)と同等の水準とする計画を発表した。「同等の水準」とするが、プレスリリースに記載したグラフでは国際線生産量が60億キロに達しているのに対し、国内線の生産量は微減を続け、2016年に国際線が国内線を上回る計画であることを示している。

ANAプレスリリースより

成長事業と位置付ける国際線では、改めて羽田・成田の首都圏デュアルハブモデルを明確に定義。羽田では「羽田最大の国際線ネットワーク」を活かし、高単価なビジネス客と国内線接続需要をターゲットに主要地点へ路線を展開。一方、成田では2015年度の発着枠拡大後に新規地点を中心に路線を展開し、首都圏需要に加えて、アジアと北米を結ぶグローバル需要の獲得を目指す。そのため、スターアライアンスに加え、個別の2社間協力関係も拡充していく方針だ。

一方、国内線ではGDPや人口の減少、為替動向等の市場環境変化や新幹線の延伸、LCC参入などの競争環境の変化に対応し、低コストオペレーションの追求と新しい収入源の創出に取り組む。そのため、拡大が期待される訪日外国人の利用促進と、国内各地からの羽田の国際線への乗継需要による利用率の向上を図る。

このほか、LCC事業では東アジアにおけるマーケット創出と収益事業としての早期の基盤確立を目指し、グループ成長戦略の一翼とする。また、経済成長の高いアジアの航空市場拡大をビジネスチャンスとし、ミャンマーのAsian Wings Airways以外にも、ネットワークシナジーが期待できる航空会社に対して出資を検討する方針だ。


▼競争力の強化へコスト削減、経営目標は過去最高益の更新

コスト改革は競争力向上の源泉として取り組み、グループ収益の最大化に繋げる。現在推進中のコスト構造改革では、2013年度末で520億円、2014年度末までに860億円のコスト削減を実施。さらに、2015-16年度に500億円の削減を追加する。これにより、2011-16年度の6年間のコスト削減額は合計1360億円となり、ユニットコストで1.5円相当の減額となる。

これら中期経営計画における2016年度目標は、営業収入1兆8500億円(13年度比17.0%増)、営業利益1300億円(同116.6%増)、営業利益率7.0%(同3.2ポイント増)、経常利益1000億円(同233.3%増)、当期利益(同300%増)を設定。過去最高益の更新を目指す。

ANAプレスリリースより

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