パスポート発給数、2013年は16%減、出国者減の影響か

外務省が2014年2月20日に発表した旅券統計(2013年1月~12月)によると、一般旅券の発給数は前年比16.0%減の329万6810冊となった。過去10年で2ケタ減となったのは今回が初めてで、平成以降では2003年(27.3%減の274万2309冊)と2001年(25.8%減の257万5959冊)に次ぐ減少幅となった。

旅券発行数の減少について外務省では、2013年の日本人出国者数が円安や中国、韓国との歴史問題の影響で、前年比5.5%減の約1747万2627人(法務省・暫定値)と減少したことが、発行数にも影響したと推測する。ちなみに2003年はSARSの流行で日本人出国者数は19.5%減の1329万6330人、2001年はミレニアムイヤーの反動と9.11の発生が影響し、9.0%減の1621万5657人だった。

都道府県別では、多い順に、東京(12.4%減の52万5067冊)、神奈川(15.0%減の31万0358冊)、大阪(13.1%減の26万4923冊)、愛知(15.7%減の21万9408冊)、埼玉(15.8%減の20万2547冊)となった。前年比では、減少幅の少ない順に東京、山形(12.4%減の1万8776冊)、鳥取(12.6%減の1156冊)、石川(12.9%減の2万6946冊)、大阪と続き、路線が拡充している沖縄(13.4%減の3万449冊)も大阪に続いた。

一方、減少率の下位5県には大分(16.6%減の2万688冊)、佐賀(15.9%減の1万6471冊)、秋田(22.7%減の1万2669冊)、長崎(22.1%減の2万3321冊)、熊本(21.0%減の3万3332冊)と九州の5県が入った。その他、福岡(18.6%減の13万6294冊)、鹿児島(19.9%減の2万4441冊)、宮崎(17.3%減の1万6838冊)も全体の減少率を下回っており、韓国への出国者数減少の影響がうかがえる。

種類別では、5年旅券は11.5%減の141万5852冊、10年旅券は19.1%減の188万958冊。10年旅券のシェアが59%から57%に縮小した。これについて外務省は、5年旅券のみとなる19歳以下の発行割合が3.2%と前年より2.1ポイント拡大したことが要因の一つと見ている。

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