海外で現地の医療機関に支払った医療費は控除の対象になる?

旅行・観光ビジネスで役立つ税知識


こんにちは。税理士の菊池美菜です。

旅行ビジネスに携わる皆さんは、海外で医療機関をご本人やお客様が訪れる機会に接することもあるでしょう。海外旅行中に病気やケガをしてしまい、現地の医者にかかった場合でも、医療費控除の対象になるのでしょうか?

所得税を計算するときに、医療費控除という制度があります。これは、多額の医療費を支払った場合に、その年の所得金額から、支払った医療費のうちの一定の金額を控除して所得税の負担を減らすものです。

控除の対象になる医療費とは、医師・歯科医師による診療・治療。鍼灸や接骨院での診療・治療。医薬品の購入。通院費、入院費(部屋代・食事代)。その他、法律で定められたものがあります。

医療費控除を受けるときは、インターネットでの申告では、領収証の記載事項を申告書と一緒に送信します。紙で申告するときは、確定申告書に医療費の領収証を添付します。

海外旅行中に病気やケガをしてしまい、現地の医者にかかった場合でも、医療費控除の対象になります。現地の病院の領収証を保管してください。治療費を現地通貨で支払ったときは、その支払日の外国為替の電信売相場と買相場の仲値で円換算します。

海外で支払った医療費も医療費控除対象になると書きましたが、これはあくまで日本の居住者であることが条件です。例えば、1年以上の海外赴任で日本の居住者ではなくなっていたとします。その期間に海外の病院等で支払をし、その後、日本に戻って来ても、日本の居住者でない期間に支払った医療費は対象となりません。海外勤務から帰国した場合は注意が必要です。

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