空港の出国審査、「顔パス」導入に向け前進、法務省が顔認証実験結果を報告

法務省では、成田空港と羽田空港にて2014年8月4日~9月5日に実施した「日本人出帰国審査における顔認証技術に係る実証実験」の結果をとりまとめた。日本人の出帰国審査や外国人の出入国審査の合理化や迅速化を目的とし、審査場における自動化ゲートの導入検討に活かすための取り組みで、実証実験ではIC旅券のチップに記録された顔画像と空港の審査場で撮影した画像の照合精度などが測定された。

結果報告では、「審査場で本人が静止した状態での撮影については十分実現可能性がある」「不正利用のパターンに対しては検知可能な技術的水準にある」といった将来性を感じさせる見解が示された。その一方で、画像の正しい照合を妨げる複数の要因が明らかになると同時に、不正防止策としては機器による自動検知と入国審査官の経験と観察力を組み合わせた検知システムの必要性も示唆された。

今回の報告をとりまとめた評価委員会では、今後は実験結果に加えて顔認証の技術的動向も踏まえながら課題解決に向けた開発を行い、可能な限り早期に顔認証による自動化ゲートの導入を図ることが望ましいとしている。

今回の実証実験の機器配置イメージは以下のとおり。

実証実験での機器配置イメージ (法務省資料より)

今回の実証実験は、公募により選定された5事業者が、実験に同意した13歳以上のIC旅券保持者2万2994名を対象に実施したもの。成田空港と羽田空港の出国審査場・上陸審査場にて、顔画像撮影を2方式(静止した状態での撮影と歩きながらの撮影)で行い、「本人を本人と認証しないケース(誤拒否)」や「誤って他人を本人と認証するケース(誤受入)」、不正利用に対する検知度などが調査・分析された。

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