【年頭所感】日本政府観光局(JNTO) 松山良一理事長  ―訪日プロモーション事業の中核組織として新たなスタートを切る重要な年

日本政府観光局(JNTO)理事長・松山良一氏が2015年を迎えるにあたって年頭所感を発表した。

2015年はJNTOにおけるビジット・ジャパン事業の執行機関化がスタートする年。JNTO海外事務所における事業の企画と現地発注により、外国人目線でプロモーションを展開していくことに加え、引き続き外国人旅行者の利便性を考慮した環境整備を実施、さらに日本のMICEブランド認知拡大に努め、2020年に向けて訪日外国人旅行者数2000万人の高みを目指すとしている。

発表された内容は以下のとおり。原文のまま掲載する。

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2020年に向けて訪日外国人旅行者数2000万人の高みを目指す

明けましておめでとうございます。

日本政府観光局(JNTO)設立50周年を迎えた昨年は、10月時点での訪日外国人数累計が、1000万人の政府目標を達成した一昨年の年間累計を超え、昨年1年間の訪日外国人数は1300万人を超えるなど、アジアを中心に全方面で大幅増加し、好調に推移しました。

昨年、JNTOは、3月には、成長著しいインドネシアでのプロモーションを強化すべくジャカルタに14箇所目の海外事務所を開設し、海外体制の強化を図ったほか、オールジャパンの取組みを強化すべく、インバウンド推進の担い手である国内関係機関との間で、「包括連携協定」(日本観光振興協会、日本旅行業協会)や「業務連携に関する覚書」(クールジャパン機構)を締結しました。さらに、英国政府観光庁(Visit Britain)との間では、ロンドン大会における観光分野での経験を共有することにより、2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催に向けた戦略的観光促進の取組みをスタートすべく、「相互協力に関する覚書」を締結する等、訪日外国人数2000万人の高みを目指す新たなステージで新規の取り組みにも着手しました。

また、年間を通じ、いよいよ本年に予定されるビジット・ジャパン事業の執行機関化に向けた準備作業を進めましたが、JNTOは、訪日プロモーション事業の実施主体として、これまで以上に取り組みを充実させていく所存です。特に、JNTO海外事務所における事業の企画と現地発注により、外国人目線でのプロモーションを展開するとともに、市場動向の変化に臨機応変に対応していくことで、諸外国との競争に打ち勝つ効果的なプロモーション活動を実現していきます。

さらに、外国人旅行者が旅行しやすい環境整備のために、国内の受入体制の分野でも、全国のJNTO認定外国人観光案内所の質的向上とネットワーク拡大や、無料Wi-Fi、ムスリム受入環境整備等の重要性について関係者への働きかけに努めるとともに、地方創生の観点からは、世界に通用する観光地域づくり、観光資源の掘起しなどについて、JNTOが培ってきたノウハウを生かし、地方の関係者とともに取り組んで参りたいと考えています。

MICEに関しては、昨年は、スペインから震災後最大級の600名の大型インセンティブツアー訪日が実現したほか、「シーグラフアジア2015」、「第30回世界牛病学会2018」等、大型国際会議の日本開催が続々と決定しました。本年も、引き続き、各都市やコンベンション推進機関に加え、会議施設、宿泊施設等多くのサプライヤーの皆様とのチームジャパン体制を確立し、日本の国際競争力強化とMICEブランドの認知拡大に努め、また、オリンピック・パラリンピック東京大会に向けて、関連する国際会議や企業会議、インセンティブ旅行等の日本誘致に取り組んでまいります。

いずれにせよ、本年は、JNTOが訪日プロモーション事業の中核的組織として新たなスタートを切る極めて重要な年であり、ビジット・ジャパン事業の執行機関として期待される役割を的確に果たしていくことができるよう、最大限取り組んでまいります。国、地方自治体、経済界、民間企業等の関係者の皆様とともに、2000万人の高みを目指し、これまで以上にインバウンドの拡大に全力で邁進してまいりますので、なお一層のお力添えをよろしくお願い申し上げます。

日本政府観光局(JNTO)

理事長 松山 良一

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