ANA決算、2015年度第1四半期は増収増益、国内微減も国際線は訪日客取込みで好調

ANAホールディングスは、平成28年3月期第1四半期(4月〜6月)の決算を発表した。それによると、売上高は前年比7.0%増の4138億円、営業費用も事業規模の拡大に合わせて同2.8%増の3971億円となったものの、コスト構造改革を進めたことによって、営業利益は前年同期の3億円から167億円に大幅に増加。経常損益でも同25億円の損失から159億円の利益に大幅に改善した。親会社株主に帰属する四半期純利益も同34億円から83億円に増加し、増収増益を達成した。

セグメント別では、航空事業の売上高は同3351億円から3571億円に増加。営業損益では、同11億円の損失から152億円の利益に転じた。

国内線旅客では、北陸新幹線の開業にともなう競争環境の変化などによって、旅客数は前年同期比0.6%減の991万人となったものの、需要動向に応じた各種運賃を柔軟に設定したことなどによって、旅客収入は同2.7%増の1523億円となった。座席キロは同2.5%減と前年を下回ったものの、旅客キロは同0.7%増となり、利用率も前年を2.0ポイント上回る61.2%となった。

国際線旅客では、好調なビジネス需要と訪日需要に支えられ、旅客数は同13.1%増の191万人、旅客収入も同9.2%増の1193億円となった。座席キロ(同2.7%増)、旅客キロ(同8.5%増)とも前年を上回り、利用率も前年を3.9ポイント上回る73.0%と高い数字を残した。

バニラ・エア(JW)の収入を含む、その他の収入は同22.1%増の467億円。JWの旅客数は同98.0%増の39万2,000人、利用率は前年を24.1ポイント上回る83.8%となった。

このほか、旅行事業の売上高は同1.1%減の363億円、営業利益も同28.6%減の5億円となり、減収減益という結果になった。国内旅行では、主力商品の「ANAスカイホリデー」が関西・沖縄方面を中心に好調に推移したことなどによって、売上高は前年同期比増。一方、海外旅行では、主力商品の「ANAハローツアー」が欧州におけるテロや韓国におけるMERS感染拡大などの影響を受け、売上高は前年同期を下回った。旺盛な訪日旅行需要を着実に取り込んだため、訪日旅行の取扱高は前年同期を上回った。

平成28年3月期の連結業績については、4月30日に発表した見通しに変更なし。売上高1兆7900億円、営業利益1150億円、経常利益900億円、親会社株主に帰属する当期純利益520億円を予想する。

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