楽天トラベル4~6月、取扱高は過去最高1978億円、Eコマースのモバイル比率は48.5%に

楽天の2015年第2四半期の連結業績(2015年4月1日~6月30日)で、トラベル事業の予約流通総額(予約受付ベースのキャンセル前取扱高、消費税込)は、前年比24.8%増の1978億円となった。

夏休みやシルバーウィークの需要が増加し、国内宿泊とレンタカー、インバウンドが好調に推移。クーポン施策の効果も加わり、四半期ベースで過去最高の数値となった。売上収益は13.9%増の94億3900万円、営業利益は21.1%増の34億9300万円で、営業利益はマーケティングの費用対効果が高まり、大幅な増加につながったという。

楽天決算資料より

決算資料による楽天トラベル四半期業績推移は以下のとおり。

楽天決算資料より

Eコマースのユニーク購入者は5.9%増の1556万人、モバイル比率48.5%に

楽天市場のユニーク購入者数は5.9%増の1556万人、売上収益は8.4%増の379億7000万円、営業利益は5.1%増の196億8700万円に増加。楽天市場のモバイル比率は速報ベースで48.5%となり、第1四半期より1.5%拡大した。代表取締役会長兼社長最高執行役員の三木谷浩史氏によると、5割を超える見込みだという。

モバイル関連のサービスも好調で、例えばスマートフォンを使ったクレジットカード決済サービス「楽天スマートペイ」は加盟店舗数、流通総額も急速に増加。スマートフォンベースのCtoCマーケットプレイスモデルであるラクマの流通総額も急増しており、6月の流通総額は前月比43.3%増となった。 7月に開始した、スマートフォンのロック画面に届く広告を5秒閲覧するとポイントを付与するサービス「楽天スーパーポイントスクリーンサービス」も順調で、三木谷氏は「モバイルが楽天の成長率を加速させている」と、その勢いを強調した。

楽天決算資料より

このほか、楽天が国内インターネットサービスで推進する「オープン戦略」で、今期は特にO2Oを強化。8月には楽天市場の出店企業が出展するリアルイベント「楽フェス」を開催した。国内Eコマース企業では初の試みで、想定していた倍以上の来場者があったという。

楽天決算資料より

最後に三木谷氏は今後の戦略として、よりデータ志向になることを明言。ECサイトの購入履歴を集約するサービス「スライス」を昨年買収したことで、「消費者の購買状況やサービス利用のデータが分かる。より深く最近のトレンドや消費者の動向を理解できるようになった」とし、データから学んだことは「今後、共有していく」とも述べた。   なお、楽天は財務基盤の強化と長期的成長を見据え、今期中に公募増資を実施。1820億円の資金調達を行なった。

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