厚労省、「民泊」の実態調査を実施、無許可営業に対する指導後の許可取得は2~3割程度

厚生労働省は、2015年11月27日に開催された「民泊サービスのあり方に関する検討会」資料として、旅館業法遵守における各自治体の対応状況のヒヤリング結果を発表した。それによると、旅館業法の営業許可を受けていなかった事案(無許可営業)を自治体が把握した件数は2013年が62件、2014年が131件と急増し、無許可の民泊が広がりを見せていることが明らかになった。

調査結果によると、無許可営業の把握方法としては、近隣住民・宿泊者からの通報が多く、近年では保健所の巡回指導における件数も増加している。指導を受けた後の民泊実施者は、営業を取りやめる事例が6割弱、営業許可を新たに取得する事例は2~3割程度。現行の旅館業法下で、民泊事業者が新たな営業許可を取得する傾向が低いことがわかる。

また、一般住宅を使用した旅館業の営業許可で相談を受けてた自治体は調査対象すべての142に上ることも明らかに。そうのうち37%の53都道府県市区が「増加した」と回答している。

142自治体のうち、営業許可ができなかった事例が「ある」のは46都道府県市区(32%)、「ない」が96都道府県市区(68%)。営業許可ができなかった事例は全国で215件となり、その理由では旅館業法関係がトップで43%の92件、続いて建築基準法関係が39%の84件で2つの法令で8割を超えた。旅館業法によるものの理由で内訳をみると、「面積基準」が47件で51%と過半数を超えている。

この調査の対象は142都道府県市区(都道府県・保健所設置の市、特別区)。厚労省が2013年度、2014年度の各自治体における民泊の相談件数や営業実施の事例を調査した。同省は、2014年7月に健康局生活生成課長名で「旅館業法の遵守の徹底について(*)」を自治体に発出しており、その対応状況を聞いたものだ。

*自宅建物(一般住宅)を活用して宿泊料を対価として収受する営業を行うためには、旅館業法の許可を取得する必要があることを自治体に対して周知徹底と指導を依頼した文書。

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