HIS業績が過去最高、旅行・ホテル・テーマパークの各事業で営業利益2桁増 -2015年10月期決算

エイチ・アイ・エス(HIS)の2015年10月期の連結業績(2014年11月1日~2015年10月31日)は、売上高が前年比2.7%増の5374億5600万円、営業利益が25.6%増の199億7000万円、経常利益が19.3%増の226億8500万円、当期純利益は20.3%増の108億9000万円で、いずれも過去最高となった。

このうち、売上高と営業利益、経常利益は5年連続で過去最高を更新。また、純利益も2割増の大幅な伸びとなった。各事業の状況は下記のとおり。

2016年10月期については、世界情勢の不透明感や紛争発生の懸念など、旅行事業に影響を及ぼす要因があるとする一方、訪日旅行者の増加基調や国内旅行需要の高まりなど、事業拡大が期待できると展望。ただし、航空会社の直販化やグローバルOTAの成長、ITを伴う新たな旅行関連サービスの新興企業など、競争激化する旅行市場の変化を見据えた対応が必要との認識を示す。

こうした中、今後はこれまでのグローバルネットワークを活用し、世界市場での時代を先取りしたサービス提供や新たな価値創造により、業績向上を図る。また、ハウステンボスでは「変なホテル」2期棟の建設やエネルギー、サービスロボットの開発など、テーマパーク事業以外の新たな事業分野への挑戦も実行するなど、今年度を上回る連結業績を見込む。

2016年度連結業績予想は、売上高が9.8%増の5900億円、営業利益が14.2%増の228億円、経常利益が12.0%増の254億円、当期純利益は12.9%増の123億円。


【HIS 2015年10月期 各事業の業績】

●旅行事業

売上高が1.6%増の4761億7400万円、営業利益が21.6%増の125億3500万円で過去最高を記録。
(概要)
商品ではビジネスクラス利用や添乗員同行ツアーを強化し、単価改善を実施。航空券アプリで海外発航空券の手配を可能にしたほか、タビナカ支援アプリや訪日アプリ開発など、スマホ利用のサービスも強化。店舗展開ではハワイ専門店や訪日旅行者の「ツーリストインフォメーションセンター」のほか、本と珈琲で需要を作り出す新コンセプトの店舗もオープンした。

海外事業も拡充し、タイでは29拠点、インドネシアは17拠点に拡大。営業拠点は国内303拠点、海外62か国130年200拠点となり、前年より27拠点増加した。


●テーマパーク事業

売上高は前年比24.0%増の325億3200万円、営業利益は21.8%増の94億300万円。
(概要)
ハウステンボスは新王国「健康と美の王国」や、ローコストホテル「変なホテル」をオープン。新イベントや雨天時でも楽しめる施策などを行ない、入場者数は15年ぶりに300万人を超えた。

一方、ラグーナテンボスでは年間を通じた初の運営の期に黒字化を達成。日本初の3Dマッピング&イルミネーションイベントなどで集客力を強化したほか、地元産素材を使った「スイーツカフェ」「ステーキハウス」などもオープンした。


●ホテル事業

売上高は前年比18.8%増の64億2900万円、営業利益は32.7%増の3億4500万円。
(概要)
ウォーターマークホテルグループ(ゴールドコースト、ブリスベン、札幌、長崎)、グアムリーフ&オリーブスパリゾートを展開。2015年5月には新たに、「ウォーターマーク・ホテル&スパ・バリ・ジンバラン」をオープン。


●運輸事業

売上高は14.4%減の27億8700万円、営業損失13億4700万円(前期:17億9200万円の損失)。
(概要)
国際チャーター便専門のアジア・アトランティック・エアラインズが成田発着便に加え、東南アジアと日本各地との相互チャーターを実施。


●九州産交グループ

売上高が6.9%減の234億2800万円、営業利益は17.4%減の10億4000万円。
(概要)
阿蘇山の火山規制に伴う索道事業(阿蘇山ロープウェーなど)の通年運休や、熊本県桜町再開発事業の準備などが影響。

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