【年頭所感】エクスペディア・マーケティングディレクター木村奈津子氏 ― 付加価値や商品増でファン拡大へ

エクスペディアのマーケティング ディレクター 木村奈津子氏は、2016年を迎えるにあたって年頭所感を発表した。

木村氏は2016年の方針として、流通プラットフォームへの付加価値の提供、商品幅の増加、マルチデバイスやパーソナライゼーション対応、「指名買い」をするファンの拡大などに取り組むことを表明。併せてインバウンドでは、同社のネットワークを最大限生かすほか、地方での仕入れ強化や観光局などとのコラボレーションも進め、国内各地の需要喚起を積極化していく考えとしている。

発表された内容は以下のとおり。原文のまま掲載する。

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謹んで新年のご挨拶を申し上げます。

昨年、弊社はグローバルでサプライ、プロダクト、デマンドの3分野にて大きな動きが見られた年でありました。

これからの成長が見込まれるアジアや南米圏の仕入れ強化、600億円以上のテクノロジー投資によるプラットフォームの改善とロイヤルティプログラムの28ヶ国展開、そしてグローバルに展開する大手OTA数社の買収と、世界の旅行者と旅行商材をシームレス、リアルタイムでつなぐプラットフォームの規模の経済、付加価値をさらに進化させることができたのではないかと存じます。

日本に関しますと、オンライン予約、FIT層の増加と共にその層のニーズの多様化が進みました。円安市況により、ますます欧米からアジアへデマンドが急速にシフトしていく中、主要都市へのリピートではなく、台湾であれば高雄、ベトナムであればダナンといった第2、3のより深い都市の顕著な伸びが見られ、"安深短" トレンドと再定義させて頂いたと共に、今ホットなトピックでもある民泊に限らず、コンドミニアムやB&Bといったホテル以外の新たな宿泊施設への興味関心の増加、また主要な観光スポットを巡るのではなく "体験" 型の旅行スタイルを目的とされる旅行者が非常に多くなったと実感しております。また、急速なスピードでマルチデバイス化が進んでおり、一人のお客様がタブレット、スマホ、PCと端末をまたがって情報収集、検索、予約、旅程管理をされるので、どの端末からアクセスされてもスムーズに情報を一元的に提供するべく体制を整えてきております。

今年においては、価格競争に陥りがちな流通プラットフォームに、より付加価値をつけていき、商品幅の増加、マルチデバイス対応+パーソナライゼーションによるスムーズで簡単な検索・予約機能の提供、ロイヤルティプログラム強化で指名買いをして下さるファンを増やしていきたいと存じます。

インバウンドにおいては、グローバルで32カ国からの送客ができるネットワークを最大限活かすと共に、近年急成長しているアジア圏のサイトでのマーケティング投資の増加や、首都圏以外の地方都市への需要喚起に力をいれるべく、東京、大阪のみであった仕入れの拠点を、名古屋、福岡にも開設し日本においては4支社展開で仕入れ強化に努めて参りました。今年に関しては、さらに地方の仕入れを強化すると共に、観光局や他のブランドとのコラボレーションを通して、まだ多くの外国人に知られていない日本の観光都市の需要喚起を皆様と共に尽力していきたいと考えております。

アウトバウンド、インバウンド共に世界のネットワーク、プラットフォーム力を活かして日本の旅行業界を皆様と一緒に盛り上げ、牽引していきたいと存じますので、今年も弊社へご指導とご支援を何卒よろしくお願い申し上げます。

エクスペディア

マーケティング ディレクター 木村奈津子

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