スペインへの旅行予約、オンラインは2017年までに2ケタ増、サプライヤー直販率が拡大 ―フォーカスライト調査

旅行関連の米調査会社フォーカスライト社はこのほど、オンライン市場に着目したスペインの旅行業界調査レポート「Spanish Online Travel Overview」を発行した。それによると、2015年のインバウンド旅行者数はフランスと米国に続き、スペインは世界第三位。また、オンライン予約市場は今後2017年まで2桁増に至ると見通しとなった。

同社の分析によれば、スペインでは長く続いた財政的混乱を経て2015年の国内総生産は前年比3.5%増の勢いを見せている一方で、緊縮政策が浸透。失業率も異常な高さ(若年人口の約50%)を記録するなか、スペイン人による海外旅行市場は停滞状態にあるという。

その反面、政治的混乱がみられたチュニジア、エジプト、ギリシアを避けてスペインを訪れる旅行者が急増。スペインの2015年旅行市場規模全体は前年比7%増の230億ユーロに到達、2017年にかけて7~8%の伸びが続くと予測されている。

その成長の要因は、2017年まで2桁増の伸びが期待されているPCやモバイルデバイスを通じたオンライン予約市場の拡大にあるとされる。デジタル世代の企業がネット販売を優先して高い利益をあげているほか、旅行供給会社によるネットでの直接販売が急増し、OTAチャネル経由の予約率が減少傾向にあるのが特徴的という。

スペインにおける2015年と2017年のオンライン予約シェア比較グラフは以下のとおり。宿泊予約についてはOTA経由の予約率が直販よりも多いが、航空(従来の航空会社およびLCC)、鉄道、レンタカーのネット予約はサプライヤー直販のほうが多く、その傾向が2017年も続くとみられている。

フォーカスライト:発表資料より

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