ブッキング・ドットコムがBtoB事業を本格化、宿泊施設の公式サイト構築から最適料金の提案まで

ブッキング・ドットコム・ジャパンが宿泊施設向けマーケティングソリューション「ブッキング・スイート(BookingSuite)」を日本市場で本格展開する。日本市場で存在感を増す同社が、予約サイト事業とは別の柱として、宿泊施設の公式サイト予約をサポートすることでさらにビジネスを加速する。今後は専任スタッフ4名を配置して運営を強化する。

商品発表の記者会見では、同サービスのアジア太平洋地区ジェネラルマネージャー、アダム・ブラウンステイン氏が、柔軟性があるクラウド型のサービスは「家族経営や小規模経営が多い日本の旅館にフィットする」と自信を見せた。

「ブッキング・スイート」は、宿泊施設のウェブサイト管理やレベニュー管理をサポートするクラウド型のBtoBサービス。各種予約システムやチャネル管理システム、施設管理システムなどを統合。それにより、自社サイトを運用していない施設でも、多言語対応のサイトが構築できるほか、パソコン、タブレット、スマートフォンなど複数デバイスで表示の最適化がおこなわれる。

料金体系は、小規模施設向けには制約課金制を、中・大規模施設向けには定額制を提供。海外ではすでに2万軒以上の施設による使用実績があるという。


IMG_2306ブラウンステイン氏は、このサービスが現在のところ好評で「早いタイミングで日本で広げていきたい」考え。専任スタッフの他、宿泊施設の営業担当にもトレーニングを開始。まずは契約のある宿泊施設との契約からスタートするが、将来的には契約(Booking.comサイトに掲載)がない施設にもアプローチする可能性があることを明らかにした。

また、キャンセル対策ともなる事前決済については「戦略的な対応を検討している」とのコメントにとどめた。

同社では料金適正化ツール「レート・マネージャー(RateManager)」も1月から公開。自社の予約実績や競合施設の料金設定、マーケット情報を同社の独自のアルゴリズムによって分析することで最適な料金を提案するシステムで、煩雑なデータ管理業務を効率化することにつながるもの。同サービスは単体での利用も可能となっている。

なお、「Booking Suite」は、2010年にプライスライン社が買収したプティーク社が展開していたサービスが起源。現在は、同社を事業部化して事業を進めている。日本では昨年夏にサービスを開始。このほど事業の本格展開を発表した。

このサービスについて、以前に語られている記事は以下のとおり。


トラベルボイス編集部 山岡薫


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