観光産業の労働組合連合が「民泊」と「貸し切りバス事故」に公式見解 -サービス連合

サービス・ツーリズム産業労働組合連合会(サービス連合)は2016年3月4日、政府が進行中の民泊サービスに関する規制改革と、1月に発生した軽井沢の貸し切りバス事故に関する見解を発表した。サービス連合は、ホテル・旅館業、旅行業、国際航空貨物業に関連する産業別労働組合。ホテル・旅館・レジャー関連産業では152組合、旅行業・航空貨物業・人材派遣業では87組合が加盟している。

民泊サービスに関しては、旅行者や国民の安全や財産などを守るため、引き続き旅館業法と旅行業法の適用を強く求めていく方針。事故については、今後再発防止に向けた検討に積極的に関与していく姿勢を表明。同時に、公正な取引と安心・安全を確実なものにするよう働きかける方針を明確にしている。


民泊サービスについての見解

サービス連合ではこれまで、旅館業法を適用除外することや国民の確実な理解・合意が得られないなかでの民泊サービスの早期導入に対しての懸念を表明。関係省庁に対する要請などを実施してきた。

今回発表された見解では、改めて、民泊サービスでの旅館業法を適用除外とすることによって懸念される公衆衛生や感染症、火災、テロなどの危機管理や近隣住民への悪影響などについて言及。この流れは「産業の社会的公平さを欠き、サービス・ツーリズム産業の健全な発展や観光立国のあるべき姿に逆行するもの」とし、民泊サービスの仲介業者に対してその責任を追求する必要性も提示。国際社会の一員として健全な産業発展を実現するため、引き続き旅館業法と旅行業法の適用を強く求めていく方針を明らかにしている。


貸し切りバス事故についての見解

貸し切りバス事故に関しては、労務管理や運行管理の不徹底、最低賃金・料金を下回る金額での受発注などが原因であることが国交省など関係機関により調査されているところ。

サービス連合では「まずは、基準料金での発注など公正取引の徹底をはかり、国が示す輸送安全性の情報などを参考に、安全運行が担保されているバス事業者を選定されるよう求めていく」方針を提示。安心・安全が損なわれることで、観光産業全体の健全性が損なわれる点を再度強く心に留める必要があるとし、全日本交通運輸産業労働組合協議会(交運労協)を通じて再発防止に向けた検討にも積極的に関与・協力していく姿勢を示した。


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