ハウステンボス、熊本地震の影響で入場者数3~4割減に、HISと九州の観光キャンペーンへ

ハウステンボス代表取締役社長の澤田秀雄氏は2016年7月16日にグランドオープンする「ロボットの王国」について開催した記者会見で、エイチ・アイ・エス(HIS)と共同で観光客に九州を訪れてもらうためのキャンペーンを行なうことを発表した。実施時期は明かさなかったが、「来週くらい、落ち着いたら」と、状況を見ながら早期に行ないたい考えだ。

これは、記者団からの熊本地震に対する影響についての問いに回答したもの。澤田氏によると、ハウステンボスのある長崎県佐世保市の地域は岩盤が強固なこともあり、今回の地震でも揺れが少なかった。園内の被害も一切なく、「来ていただくのに問題ない」と明言する。ただし、入場者数は2ケタ増の推移が地震で一転し、30~40%減に激減。園内のホテルでは直近の予約を中心に、この4、5日は200人~300人のキャンセルが発生しているという。

この状況について澤田氏は「過半数は問題なく動いている」としつつ、「しばらく大きい影響がある」と認識。「今は九州全体が心配というイメージになっている」とも指摘する。ただし、湾岸戦争や9.11同時多発テロなど、これまでHISで経験してきた過去の危機への対応から、影響の期間は「いつまでも続かない。早くて2~3か月、長くても6か月。その後は応援しようという活動に移っていく」と見る。「九州が地盤沈下することは良くない。こういう時だからこそ、影響の少ないエリアから盛り上げていきたい。これが一番、復興の手助けになると思う」と力を込める。

澤田氏は9.11同時多発テロ後に、ニューヨークへのキャンペーンを行なった際に、現地にとても喜ばれたことを説明。過去の観光危機後のキャンペーンでは、影響を受けた以上のプラスの効果があったことから、今回も同様に推移すると展望する。

なお、今回の地震による影響はゴールデンウィークには残るとするが、「ロボットの王国」がグランドオープンをする夏には落ち着くとし、全体的に収束すれば2ケタ増の伸びが戻ると見ている。

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