アエロメヒコ航空、増便後も予約率8割超、メキシコ渡航者の成長続き「次はデイリー」へ

日本/メキシコ間の航空路線が熱気を帯びている。この6月からアエロメヒコ航空が、成田/メキシコシティ線を週4便から週5便に増便ANAは来年のメキシコ線開設を表明している。観光局によると、日系企業の進出が加速するメキシコへの日本人渡航者数は6年連続で増加。アロメヒコ航空日本支社長の加藤欣弥氏は、さらなる需要にこたえるステップで「次はデイリー(週7便)」と意気込みを見せている。

この発言は、このほど開催されたアエロメヒコ航空の旅行会社向けセミナーでコメントしたもの。加藤氏によると、週5便がスタートする今月の予約率は8割を超える見込み。数か月先までの予約も順調だという。現地メキシコシティ空港には、日本語を話すスタッフを配置して日本人旅行者に対するサービスも強化している。

メキシコ観光局駐日代表のギジェルモ・エギアルテ氏は、こうした路線網の拡充を歓迎。6年連続で増加する日本人渡航者数に、弾みがかかると期待している。昨年2015年の日本人旅行者数は12万人、2016年の目標は15万人に設定。すでに、2016年1月から4月の伸び率15%を維持しており、15万人の達成は現実的なようだ。

一方で、渡航者数15万人の渡航先としては過剰な座席供給は価格競争を招く可能性もある。渡航者にとっては歓迎できるものの、航空会社にとっては長期的な路線維持の視点で弊害の一因にも。加藤氏は、この点について「価格競争をするつもりはない」と明言。同社が日本就航から10年を迎え、増便や機材のアップグレードを継続してきた点を強調し、旅行者・旅行会社のニーズにこたえるサービス改善を続けていく方針をアピールした。



ネットやソーシャル拡散をしやすいメキシコの観光素材

日系企業の進出意欲が高く、法人需要が注目されがちのメキシコだが、レジャーの需要も増している。メキシコ観光局によると、日本人のレジャー・法人の渡航者比率は約半々。世界からの観光客も、今年は2ケタ増の3500万人が見込まれ、観光地としての注目を集めている。

セミナーでは、旅行会社に対して新たな素材も紹介された。個人がネットやSNSを通じて絶景や体験を拡散させる時代に合った、ユニークな素材だ。

人気の祭り「死者の日」

毎年、10月31日から11月2日に行われる祭り。人が亡くなったことを悲しむのでなく、亡くなった人に寄り添って楽しむ祭りだという。日本のお盆のような行事だが、明るいラテンのノリで仮装行列が行われるという。映画「007スペクター」のオープニングで登場したことで注目された。

テキーラ村とその周辺

メキシコ原産のテキーラは、アルコール度数が高く、日本では一気飲みの印象が強い。しかし、欧米ではセレブリティが好むもの。こうしたテキーラを原産する村を起点に、土日のみ運行する「テキーラ・エキスプレス」が運行されている。グアダラハラを出発し、テキーラ村の観光などで途中下車、通常30分かかるルートを1時間30分かけてゆったり走る観光列車だ。

また、周辺にはテキーラの蒸留所ホテルが人気だという。テキーラの有名ブランドがホテルを開業しており、今年は米国セレブに人気の高い「パトロン」がホテルが開業予定。

過去の取材記事では、各種都市を紹介している。

左からメキシコ観光局ギジェルモ・エギアルテ氏/パレスリゾートセールスディレクター奥田重彦氏/アエロメヒコ航空加藤氏/テキーラフェスタ運営事務局 目時裕美氏/

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