観光ビジネスの春闘2016、賃金改善額は平均6383円、ホテル・レジャー業が1000円以上の増加で牽引

サービス・ツーリズム産業労働組合連合会(サービス連合)は、2016年春季生活闘争の妥結結果を発表した。春闘で要求書を提出したのは139組(観光・航空貨物業74組合、ホテル・レジャー業65組合)で、合意に至ったのは113組合(2016年6月19日現在)。

このうち、賃金改善は104組合が合意。実質的な賃金改善(賃金カーブを維持した上での賃金改善)で回答を引き出した組合数は49組合となり、昨年よりも13組合増加した。2年連続で実質的な賃金改善で合意を得た組合数は28組合、3年連続は19組合となり、3年間で全体の約5割が実質的賃金改善の回答を引き出した。

年間の賃金改善額は、集計できた44組の平均が6383円となり前年の6338円から増加。ただし、実質的な賃金改善分は集計できた26組の平均は1875円となり、昨年の2080円を下回った。

業種ごとに見ると、ホテル・レジャー業17組合の賃金改善額は5701円で、前年から一気に1014円上回った。一方、観光・航空貨物業は6698円で前年より167円低下した。一時金では年間平均は3.35か月で前年水準を下回ったものの、夏期一時金では1.66か月と増加。特にホテル・レジャー業は1.35か月で0.10か月増加となっており、堅調な国内旅行とインバウンドの急増で、ホテル・レジャー業が伸びを牽引しており、観光・航空貨物業の水準に近付いてきている。

上記は6月19日現在のとりまとめで公式の数値になるが、現在の状況についても口頭ベースで発表。賃金改善は6458円、実質的な賃金改善分は1882円、一時金は3.53か月となっており、合意の組合数が増えるほど数値が上がっているという。

このほか、同時要求では総労働時間の短縮などで要求した88組合に対し、58組合が合意。新たな祝日・山の日の制定に伴う年間所定内労働時間の短縮や年間休日の拡大等で合意するなど、年間総実労働時間1800時間の実現へ向けた前進が図れたとしている。


【観光・航空貨物業】

•賃金改善額:27組合平均6698円(改善率:2.21%) ※2015年:6709円(2.16%)

•実質的な賃金改善額:15組合平均1668円(0.53%) ※同:2197円(0.75%)
•年間一時金平均月数:13組合平均3.70か月 ※同:3.20か月
•夏期一時金平均月数:57組合平均1.83か月 ※同:1.65か月

【ホテル・レジャー業】

•賃金改善額:17組合平均5701円(改善率:2.37%) ※同:4533円(1.81%)

•実質的な賃金改善額:11組合平均2547円(1.14%) ※同:833円(0.26%)
•年間一時金平均月数:12組合平均2.97か月 ※同:2.43か月
•夏期一時金平均月数:32組合平均1..35か月 ※同:1.15か月

【全体】

•賃金改善額:44.組合平均6383円(改善率:2.25%) ※同:6161円(2.08%)

•実質的な賃金改善額:26組合平均1875円(0.64%) ※同:2080円(0.70%)
•年間一時金平均月数:25組合平均3.35か月 ※同:2.87か月
•夏期一時金平均月数:89組合平均1.66か月 ※同:1.44か月

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