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新たな検索手法で旅行比較するメタサーチが登場、自然文や住所からホテル・観光情報など絞り込み表示 -昭文社・子会社「トリプコン」

昭文社の子会社、トリプコンは2016年7月27日、世界中の宿泊施設やフライト、観光スポットなどを比較できる総合サイト「トリプコン(TRIPCON)」を公開した。特徴は、検索方法。キーワードによる絞り込み方式ではなく、例えば「東京タワーの近くに泊まりたい」といった会話のような自然文から検索結果を表示。旅行比較サイトでは、ユーザーの多くが旅先を決めてから利用してきたが、今回のサイトでは具体的な行き先などを決めていない漠然とした段階から宿泊施設や観光スポットなどの提案をする。

宿泊施設では、世界80万件以上のリアルタイム最安値を表示、3億8000万件以上のクチコミに基づく評価も掲載する。提携サイトでは、国内ホテルが楽天トラベル、じゃらん、i.JTB、アップルワールド、海外ホテルではエクスペディア、ブッキング・ドットコム、アゴダ、シートリップ、ホテルズドットコムと主要OTAを網羅した。

指定した住所に近い宿泊施設を検索する機能も提供する。これは、空室状況に応じてエリア指定を超えた検索結果を表示するもの。例えば「四ツ谷」で検索すると、距離を軸に空室状況がある「神田」や「上野」など、従来のエリア範囲を超えた検索結果が表示される。

また、親会社となる昭文社のコンテンツを活用し、ガイドブック「まっぷるマガジン」「ことりっぷ」に掲載された観光スポット情報も提供。見る・食べる・体験するといった「お出かけ先」700万件以上を検索できるだけでなく、お土産やご当地グルメなども連動表示する。提携サイトを介したレストラン予約も可能となる。

サイトへの集客でも、当面は昭文社と連携。国内外に発信する昭文社の各種媒体に動線を置き、認知度を上げていく方針だ。サイトがローンチした現在は、日本語のほか、英語、中国語(繁体字、簡体字)、韓国語、タイ語に対応している。

同社代表取締役社長の今井大輔氏は、同サイトの公開で「旅の概念を変えたい」と意気込む。今後は、アジアを軸とした海外展開も加速していく方針で、海外ローカルOTAとの提携を拡大していく考えだという。また、AI(人工知能)による対話型機能の搭載、パーソナライゼーション、旅行後の思い出機能などの拡充を図る計画。さらに、今井代表は、このエンジンを活用したBtoB展開を進める考えも明らかにしている。

なお、トリプコン社は昭文社100%出資で2016年2月に設立された新会社。既存事業とは別ブランドとして展開がされる。