国内文化財を外国人に解説する英訳のチェックリストを発表、観光庁・文化庁が「直訳しない」「メリハリ」など重要点をとりまとめ

観光庁と文化庁はこのほど共同で、「文化財の英語解説のあり方について」と題する報告書をとりまとめた。同テーマに関する有識者会議での議論を経て、課題や改善案、取り組み事例などを整理したもの。地方公共団体の教育委員会や観光部局、文化財所有者が環境整備の参考にできる内容になっている。

そのなかでは「英語解説の改善・充実にあたっての視点」として、以下4点を記載。文化財の魅力を十分伝えるための工夫として、解説対象や文章表現、デザイン面といった視点で分類し、それぞれチェックポイント項目も設定した。

  • 視点1:日本語の解説を直訳せず、基本的な用語の解説を補足する等、文化財を理解する上で前提となる情報を解説に盛り込む。
  • 視点2:外国人の目線でその文化財のどこに興味・関心を持つかを把握し、メリハリの利いた解説内容とする。
  • 視点3:案内板やパンフレットなどの解説媒体に応じ適切に情報を書き分けるとともに、デザイン上の見やすさや景観との兼ね合いも考慮する。
  • 視点4:分かりやすい解説のためには、英文執筆・翻訳を委ねることができる優れた人材の確保が重要。

そのほか推進体制面では、行政機関をはじめ文化財所有・管理にかかわる組織の連携が必要であることを説明。観光庁や文化庁による支援事業についてもこれまでの実績を紹介している。

同時に、これまでの取り組み事例として、伊勢神宮や日光東照宮、国立能楽堂など複数の国内文化財に関する解説の工夫や重要点を掲載。それぞれ、パンフレットやウェブサイト、音声案内などを通じた各種解説の取り組み内容を紹介している。


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