ANA連結業績は旅客収入が減少も利益確保、燃油サーチャージ減などで通期売上げは下方修正 -2017年第2四半期

ANAホールディングスが発表した2017年3月期第2四半期(2016年4月1日~9月30日)の連結業績は、売上高が前年比2.9%減の8849億円と減収となったが、営業利益は3.2%増の895億円、経常利益は0.6%増の834億円、四半期純利益は6.4%増の574億円で黒字となった。

減収は、熊本地震や欧州でのテロ、円高による外貨建て収入の減少、燃油価格の下落に伴う燃油サーチャージ収入の減少が影響した。ただし、コスト削減に努めたことで増益を実現した。

航空事業では、国内線が熊本地震やシルバーウィークの日並びの影響で旅客数、単価ともに前年を下回り、旅客収入は1.7%減の3474億円の前年割れに。国際線は、日本発レジャー需要が欧州のテロの影響が残ったものの、ビジネス需要が堅調だったことに加え、旺盛な海外発需要で旅客数が前年を上回った。ただし、円高や燃油価格の下落により、収入は0.2%減の2591億円でわずかに前年割れとなった。

LCCバニラエアやマイレージ付帯収入、機内販売や整備受託などで構成される航空事業のその他収入は、5.7%増の1016億円に。バニラエアでは当期間中、関空/台北線、台北/ホーチミン線、沖縄/台北線を開設したほか、8月には成田/高雄線、成田/奄美大島線を増便し、旅客数は13.3%増の101万6000人の2ケタ増、利用率は86.6%となった。

このほか旅行事業では、国内旅行の「ANAスカイホリデー」は熊本地震の影響で九州方面の取扱高が減少。海外旅行の「ANAハローツアー」はテロの影響で欧州方面の取扱高が減少。売上高は6.8%減の824.億円、営業利益は28.6%減の20億円と大幅な減少となった。

こうした状況を踏まえ、特に2016年から急速に進んだ円高の影響や燃油サーチャージ収入の減少などにより、通期の売上高のみ当初予想より700億円程度減少し、1兆7400億円に下方修正した。これにより、2017年3月期の連結業績予想は、売上高1兆7400億円(当初予想:1兆8100億円)、営業利益は1450億円(変更なし)、経常利益は1300億円(変更なし)、当期純利益800億円(変更なし)とした。

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