旅行会社の業況感は海外旅行が回復順調、国内・訪日は弱含み -JATA調査(10月~12月期)

日本旅行業協会(JATA)の旅行市場動向調査(2016年12月期)で、2016年10月~12月期の海外旅行の業況感(DI値)は3ポイント増の-32となった。3か月後には-29、6か月後には-23と回復傾向で、2016年6月期を底に本格的な回復傾向が見られる。

国内旅行は1ポイント減の-11。3か月前の見通し0を大きく下回った。3か月後は-13、6か月後は-12で、今後も厳しい推移を見込む。

今期から調査に加わった訪日旅行は-6からのスタート。3か月後は-12と低下を見込む。

発表資料より

海外:海外旅行系が大きくプラスもOTAが2ケタ低下、アジアがプラスに転化、欧州も回復傾向に

業態別では、海外旅行の取扱が8割以上を占める海外旅行系が35ポイント増の+8で大きく好転したのをはじめ、総合旅行会社(7ポイント増の-42)や海外旅行ホールセラー(3ポイント増の-41)、リテーラー1(取扱30億以上/17ポイント増の-23)などで増加。一方、前回2ケタ増となったネット系旅行会社が17ポイント減の-50に低下した。

方面別ではアジアが9ポイント増加し、+7にプラス転化。ヨーロッパが5ポイント増の-66、韓国が4ポイント増の-42と回復傾向を見せている。

国内:OTAが2ケタ増で躍進、「ふっこう割」で九州が上昇

業態別では、ホールセラーが15ポイント減の-43、リテーラー1が18ポイント減の-39と2ケタ減になったのをはじめ、すべての業態でDI値はマイナスに低下。ただし、ネット系旅行会社は前回より10ポイント増の-33で、2ケタ増となった。

方面別では、京阪神が前回同様+3で唯一プラスを維持。東京(TDR・横浜含む)は前回の+3から-4へのマイナス転化となった。九州は10ポイント増の-26となり、「ふっこう割」の効果が出た。ただし、3か月後は-32で下落の見込みで「ふっこう割が終わった後の需要が未知数」という旅行会社からのコメントもあった。

訪日:OTAは2ケタ増、訪日旅行系は-13など二極化、大阪・京都が好調

全体では-6だが、業態別ではネット系旅行会社が+25と好調を見込むほか、総合旅行会社も+7となった。ただし、リテーラー1が-18、リテーラー2が-10のほか、訪日旅行販売が中心の訪日旅行系旅行会社は-13となり、取扱状況が業態によって二極化していることが浮き彫りになった。3か月後は、総合旅行会社は-3と減少の見込みだが、ネット系は+50とさらに躍進を見込む。

方面別では大阪・京都(USJ含む)が+12で好調。北海道(+4)、首都圏(TDR含む)(+4)、ゴールデンルート(関東/関西)(+2)もプラスだが、それ以外はマイナスに。なかでも九州は-33、東北と山陽・山陰・四国がそれぞれ-30と他のDI値を大きく下回っており、震災の影響もうかがえる。

出身国別では台湾が+14、東南アジアが+10、欧州が0。韓国は-23、中国は-12だった。

調査対象はJATA会員および中連協会員のうち、登録のあった573社。今回調査は2016年11月4日~22日まで行ない、回収数は318社。

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