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2017年はどんな年? 旅行・観光ビジネスで知っておきたい「今年の日並び」から「年間予定の一覧」まで一挙紹介

2017年の旅行市場はどのように推移するか。JTBが発表した「2017年の旅行動向見通し」によると、訪日旅行者数は伸び率は縮小しているものの、前年比12.0%増の2700万人と、相変わらず2ケタ増の成長を見込む。一方の国内市場は、国内旅行者数は0.4%増の2億9800万人、海外旅行者数は前年同の1700万人で成長率は鈍化。日銀短観で景気は緩やかながら回復傾向にあるものの、旅行市場は停滞する見通しだ。

不透明感の漂う2017年、旅行事業者はどのように収益を確保していけるか。旅行市場に影響するトレンドや年間予定をJTBの発表資料を中心にまとめてみた。

週末の3連休が増加

プレミアムフライデーで需要創出にも期待

旅行需要に大きく関わる祝日の日並び。2017年はゴールデンウィークと正月を除き、週末の3連休が2016年よりも1回増加する。特に8月には、昨年からはじまった8月11日の山の日が金曜日となり、3連休に。ただし、9月は23日の秋分の日が土曜日に重なり、3連休は18日の敬老の日を含む1回のみ。そのため、夏期休暇では9月の長期休暇が少なくなり、8月の連休に絡めたピーク需要の増加が予想される。

一方、ゴールデンウィークは4月29日のみどりの日が土曜日に重なり、前半の連休はなくなる。後半は日並びが良く5連休となるため、需要は後半に集中しそうだ。ただし、5月1日と2日を休めば9連休になることから、長期旅行を希望する人には2017年の休みどころとしてゴールデンウィークでの旅行をすすめたい。

また、曜日関係での注目は、2月からスタートするプレミアムフライデー。最終週の金曜日を15時終業とし、消費の活性化を促すムーブメントで、博報堂の調査によるとプレミアムフライデーの過ごし方の希望として「旅行」が1位になった。もともとの日並びで2016年より3連休が増える上に、プレミアムフライデーの旅行に行く機会としての機運が高まれば、2017年は短期日程の旅行需要の増加が期待できそうだ。

新クルーズトレイン、古民家滞在やグランピングなど

多様な旅行・宿泊形態が浸透する年に

JR九州の「ななつ星 in 九州」で注目が高まった、クルーズトレインという新たな旅行形態。2017年は、5月にJR東日本の「トランスイート四季島」、6月にJR西日本の「トワイライトエクスプレス瑞風」の2つのクルーズトレインが運行を開始し、観光列車人気にますます拍車がかかりそうだ。

また2017年は旅行形態のみならず、宿泊形態の多様化も注目される。田舎暮らしが楽しめる古民家やツリーハウス、氷のホテル、ホテル並みのサービスと豪華さを兼ね備えたキャンプ「グランピング」など、ユニークな体験が楽しめる宿泊施設も増えている。2017年は民泊の新法制定も予定されており、宿泊そのものに体験を求める需要が増加するだろう。

このほか2017年は既存のホテルでも、都市部やリゾート地でホテルの新規開業の予定が多い。3月にはハウステンボスで人気のロボットホテル「変なホテル」の2号店が千葉・舞浜で開業予定のほか、4月には名古屋にレゴブロックのテーマパーク「レゴランド・ジャパン」がオープン。レゴランドにはレゴホテルが併設される予定だ。

訪日旅行、中国人旅行者の旅行内容に変化

2017年も2ケタ増の伸びが予想される訪日旅行。その28%を占める中国人の旅行内容が、旅行経験の増加によって変化が生じている。特にショッピングは2016年4月以降、中国政府による関税引き上げの影響で大きく減少した。また、国内での越境ECの利用も進んでおり、日用品の単品購入は越境ECに代わる可能性もある。

そのため、例えば百貨店の化粧品売り場で日本式のメークをするなど、買うだけの価値から訪れる価値への転換をはかることで、中国人旅行者数はさらに増加すると見る。

年の初め、こうした年間の見通しを旅行・観光ビジネスの一助としてほしい。以下は2017年の旅行・観光に関わる予定の一覧。

【2017年、旅行・観光に関わる予定一覧】