英国人・米国人・カナダ人は、どのようにして旅行先を決定しているのか? 旅行マーケティングの仕掛けかたを考察してみた【外電】

旅行は、カバンに荷物を詰めるよりも、ずっと前に始まっている。世界中に、数え切れないほどある観光地の中から、行き先を選び出す。それが本当の意味での旅の始まりだ。では人は、どのようにして旅行先を決定しているのだろうか――。

オンライン上で旅行の手配や予約をする人は、旅行先(デスティネーション)を決めるまでに、あちこちを見て回り、時には遠回りや逆戻りもしながら、ようやく決断へと至ることがわかっている。エクスペディア・メディア・ソリューションズとコムスコアがこのほど米国、英国、カナダの旅行者を対象に実施した調査「購入決定までの道のり(Traveler’s Path to Purchase)」の結果から浮き彫りになった、デスティネーション選択の最新動向をひも解いてみよう。

デジタル世界を右往左往、デスティネーション選択までの足跡

旅行のプランニングを始めるとき、行き先候補は、最初から1つに絞られているわけではなく、むしろ複数あるのが普通と言われている。

今回の調査では、英国とカナダで、回答者の半分以上がまさにこれに当てはまる結果となった。一方、米国については、旅行先の候補地が複数あったと答えた人は、全体の3分の1をわずかに上回るのにとどまった。これは、米国人の休暇日数が他の国に比べて短いことが原因で、より熟考を重ねてから旅行の計画に着手するためではないかと推察される。

※左から、英国、米国、カナダの調査結果。紺色は候補のデスティネーションが複数あった割合、水色は候補のデスティネーションが1箇所だった割合を示している。

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リサーチ対象は世界各地と広い範囲に

旅行先を決める際の候補は、すぐ近くの町から海外の都市まで実に幅広く、現地情報のリサーチも、まさに地球上の広い範囲が対象となっている。また国別でみると、米国人が最終的に選択する旅行先は、国内となる場合が海外の2倍という結果に。一方、英国とカナダは逆で、海外旅行が国内旅行の2倍となった。

デスティネーション選定に影響大な情報源は何か

旅行者がデスティネーションを決定する際に、参考にしているものは数多く、例えば、誰かの勧め、あるいはソーシャルメディアの画像や旅行情報サイト、他にも色々ある。今回の調査対象となった3カ国では、デスティネーションを選ぶとき、最も重視しているのは「オンライン旅行会社(OTA)」と「友人・家族からの勧め」という結果になった。

デスティネーション選択の際、重要視する情報源の各国比較は以下のとおり。

※左から、OTA、家族・友人、検索エンジン、航空会社のサイト、ホテルのサイト、旅行情報サイト、旅行系検索サイトの利用率を示している。

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また、広告が消費者のデスティネーション選択に及ぼす影響力は決して小さくない。というのも、消費者の多くは、旅行の購入へと至るサイクルの最終段階まで、複数のデスティネーションを候補地とし、迷い続けているからだ。以下に、旅行マーケティングを仕掛ける側が、購買を検討中の顧客に対し、自社ブランドをアピールする手法について、いくつかのポイントを挙げてみる。

購買を検討中の顧客に対するアプローチのポイント

  • 適切な相手を見つけること: 広告の効果が高いのは、複数の旅行先を検討している人だ。今回の調査では、まだデスティネーションを決定していない段階では、全体の27%が広告の影響を受けるという結果になった。ターゲットの厳選が、旅行者にリーチするための鍵だ。なにしろ予約する人は、しない人に比べて、広告を見る傾向が4倍も高くなっている。

  • 継続は力なり: オンラインで旅行を予約する人は、購入決定までの間、旅行コンテンツにアクセスする頻度がどんどん増えていく。予約決定に至るまでの45日間の動向を追ってみた結果、例えば米国人の場合、旅行サイトへのアクセス回数は140回だった。また、様々な情報源やチャネルを使いながら旅行情報を調べているので、マーケティング側には、断片的ではなく、総合的かつ効率的なアプローチが求められている。

  • 複数のデバイスを駆使したアプローチ: 複数のプラットフォームを活用する旅行者が増えているので、どのプラットフォームでも、ブレのないコンテンツと使い心地を実現することが大切。そうすれば、利用者がモバイルで見ているときも、デスクトップを使っているときも、効率よく相手にリーチできる。

※今回の調査結果の詳細を掲載した白書は、以下からダウンロード可能だ。Destination Selection During the Traveler's Path to Purchase(英語)

※注:本記事では、エクスペディア・メディア・ソリューションズのグローバル・シニア・ディレクター、ウェンディ・オルソン・キリオン氏の考察を紹介している。

この記事は、世界的な観光産業向けニュースメディア「トヌーズ(tnooz)」に掲載された英文記事を、同編集部から許諾を得て日本語翻訳・編集しました(トラベルボイス編集部)。

オリジナル記事: The Traveler’s Path to Destination Selection

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