世界の航空会社で事故発生率が改善、ジェット機の機材損壊などは増加に ―IATA調査(2016年)

IATA(国際航空輸送協会)はこのほど、2016年の安全運航状況に関するデータを公表した。全世界で商業運航を行う航空会社が対象。すべての事故を対象とした事故発生率(100万便当たり)は1.61となり、2015年の数値(1.79)より改善した。

しかし機体損壊が発生する規模のジェット機による事故発生率は0.39で、前年実績(0.32)よりも悪化。また2011~2015年の5年間の平均値(0.36)に比べても悪化した。

人命が失われる航空事故では、昨年は10件発生し、死者数は計268人。これに対し、過去5年間の平均値は、年間13.4件、死者数371人。

昨年の航空会社による輸送実績は、計4040万便・約38億人。事故件数、死亡事故件数、死亡者数はいずれも、過去5年間の平均値に比べて減少し、安全面での進歩が見られる一方で、悪化した数値も。IATAでは「長距離移動の手段として、航空機はもっとも安全と言えるが、目標はすべての出発、到着便の無事故達成。一つ一つの事故を教訓に、安全実現への努力を倍増していく」(アレクサンドル・デ・ジュニアック事務総長)としている。

なお、IATA加盟航空会社の実績では、昨年のジェット機による機体損壊事故の発生率は0.35となり、世界の全航空会社による数値よりも低かった。ただし、IATA加盟各社による2015年実績(0.22)に比べると後退した。(IATAには世界の主要な航空各社が加盟するが、LCCや規模の小さな航空会社のなかには加盟していない会社もある。)

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