福島の老舗「叶屋旅館」が破産、原発事故の不評被害で減収続く、負債総額は4億円

東京商工リサーチによると、福島県喜多方市の叶屋旅館が9月22日、福島地裁会津若松支部より破産開始決定を受けた。負債総額は約4億600万円。

江戸期に米沢街道の旅籠として創業。子宝の湯として知られる「熱塩温泉」で中堅クラスの旅館として営業を展開していた。平成5年には旅館の全面改装を実施。その効果もあって平成6年頃には約2億円の年間売上高を計上したが、景気低迷や同業者との競合などから減収で推移し、設備投資の負担から赤字が続いていた。さらに、福島第一原発事故による風評被害から営業面は苦戦を強いられ、平成27年8月期には売上高が約4300万円まで落ち込んでいた。

東京電力からの賠償金収入により最終的には黒字としていたが、過去の赤字を抱え、厳しい資金繰りが続き、金融機関に対しリスケを要請してしのいでいたものの、平成28年8月期の売上高は約3600万円と減収に歯止めが掛からず、先行きの見通しも立たないことから今回の措置となった。

みんなのVOICEこの記事を読んで思った意見や感想を書いてください。

観光産業ニュース「トラベルボイス」編集部から届く

一歩先の未来がみえるメルマガ「今日のヘッドライン」 、もうご登録済みですよね?

もし未だ登録していないなら…