シンガポール航空、デジタル改革で政府機関らと提携、共同研究やスタートアップ支援を推進

シンガポール航空(SQ)は、同国の政府機関や大学と連携し、デジタル改革計画(Digital Innovation Blueprint)に着手する。このほどシンガポール科学技術研究庁(A*STAR)、シンガポール民間航空庁(CAAS)、シンガポール経済開発庁(EDB)、シンガポール国立大学(NUS)と相互パートナーシップ提携で合意。2018年1月29日に、シンガポール航空と各庁および大学の代表者が発足式典を行い、S・イスワラン貿易産業大臣も臨席した。

同社は、これまでも自社のデジタル機能の充実に向け、社内向けの各種トレーニング実施や、デジタル改革ラボの設立、スタートアップ企業を含むIT各社との関係拡大に取り組んできた。今後はさらに政府や教育機関の協力も加わることで、シンガポールの航空・旅行産業のデジタル改革推進に、官民を挙げて取り組む格好だ。

同社ゴー・チュン・ポン最高経営責任者(CEO)は「デジタル改革には投資してきたが、省庁や大学とのパートナーシップ実現により、一つ上の段階へ進むことができる。シンガポールを世界の航空・旅行産業のデジタル・ハブにする」とコメント。デジタル技術を活用したより効率的、効果的なサービスの実現や、新しいビジネス機会が生まれる土壌づくりを目指す。

シンガポール民間航空庁とシンガポール経済開発庁との間では、主に航空・宇宙産業におけるデジタル改革を活用した効率化や利用者サービス拡充、ビジネス環境全体の強化などの分野で連携。A*STARとは、画像・データ解析、IoT、仮想現実などの分野における研究調査で協力する。シンガポール航空では、こうした調査結果をスマートソリューション導入で活用し、自社のメンテナンス費用の削減、フライト遅延の削減、サービス全般の向上を図りたい考え。

シンガポール国立大学とは、覚書を2つ締結。同大学のビジネス、コンピューター、エンジニアリング学部と長期的な課題を対象とした共同研究やプロジェクトを実施するほか、同大学の起業支援部門であるNUSエンタープライズと協力し、「デジタル航空・旅行エクスペリエンス」をテーマとした技術開発や、スタートアップ育成に取り組む。

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