農山漁村に「農泊」する旅行者と受入れの実態は? 外国人が増加で「日帰り」も3割超えに、国内利用者は「教育旅行」が最多

三菱UFJリサーチ&コンサルティングはこのほど、「農泊」をテーマとする実態調査をおこなった。それによると、外国人旅行者による農泊体験者数は増加傾向(66.2%)にある一方、国内旅行では横ばい状態(44.3%)である結果だった。

農泊とは、農家民泊や古民家活用の宿泊施設などを通じて農産漁村で日本ならではの生活体験や地域交流をおこなう「農山漁村滞在型旅行」のこと。農林水産省と観光庁が連携し、2017年度より観光施策の一環として推進している。

日本人および外国人旅行者による農泊体験の動向は以下のとおり。

三菱UFJリサーチ&コンサルティング:発表資料より

また、旅行形態については、国内では教育旅行が最多(67.0%)となっているが、外国人旅行では教育旅行(39.1%)と個人旅行(36.2%)が二分する結果が明らかになっている。

国内からの参加はほぼすべてが「宿泊あり」、外国人は「日帰り」が3割超えに

平均宿泊数は、国内旅行者では「1~2泊」が95.2%を占め、ほぼすべてが宿泊をしている状況。一方の外国人では「1~2泊」(59.0%)に続き「日帰り」(34.6%)も比較的多いことが分かった。

また、農泊体験者の消費額をみると、体験プログラムの平均単価は、日帰り旅行者で「2000円以上5000円未満」(50.0%)が最多、続いて「2000円未満」(21.1%)、「5000円以上1万円未満」(14.5%)。宿泊を伴うプログラム代は宿泊代込みで「5000円以上1万円未満」(45.8%)に次いで、「1万円以上1万5000円未満」(34.9%)となった。

三菱UFJリサーチ&コンサルティング:発表資料より

受け入れ側の状況は、「宿泊プランと日帰りプランの両方に対応」(65.0%)が最も多く、次いで「宿泊プランのみで日帰りプランなし」(17.5%)、「日帰りプランのみで宿泊プランなし」(12.6%)となった。

そのほか、農泊を目的にした来訪時期は、個人旅行では夏(6~8月)が79.2%と最も多く、教育旅行では野外学習シーズに合わせて春、夏、秋で平準化。来訪者がセットで訪れている地域については、6割が「ある(他の場所に立ち寄りながら農泊体験に訪れている)」と回答した。

この調査は、農泊に取り組む団体や組織を対象に、受け入れ状況や事業内容、課題などに関するアンケートを実施したもの。調査時期は2017年12月。107団体・組織の回答を得てとりまとめた。

同報告書の全文は以下から参照できる。

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