奄美大島・琉球諸島の世界遺産登録が「延期」、持続可能な観光利用計画の立案など政府に要望 ―日本自然保護協会

国際自然保護連合(IUCN)は2018年5月15日、日本自然保護協会(NACS-J)が推進してきた「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島」の世界遺産登録に関して、「登録延期」とする発表をおこなった。ユネスコ世界遺産センターウェブサイトでIUCNによる評価結果が公開されたもの。その結果を受け、NACS-Jが日本政府に対する声明を発表している。

IUCNの評価結果では、自然価値の長期的な保全に必要な「境界設定・危機対策」に課題がある点、登録基準を満たすための境界設定には、連続性の確保(全4島)や推薦地の拡張(西表島北部/北西部の河川渓谷)、返還された北部訓練跡地を含める沖縄島北部の区域見直しが必要な点などを指摘。危機対策として、あらゆる外来種への対策、「持続可能な観光利用に関する計画立案と実施」が急務である点などが提示された。

併せて、IUCNから日本政府に向けた具体的な勧告としては、境界線の修正や登録基準に準じるための活動のほか、「主要な観光地・来訪地における、適切な来訪者数管理、観光管理施設、インタープリテーション施設、モニタリングを含む、観光客の興味や収容力に応じた、観光管理計画、来訪者管理計画を実行すること」「人為または気候変動の影響による、絶滅危惧種の現状と傾向に焦点を当てた、総合的なモニタリングシステムを開発し適用すること」などが提示された。

今回の評価結果を受け、NACS-Jは日本政府に対する声明を発表。その中には(1)登録延期の勧告を受け入れ、引き続き遺産登録をめざすこと、(2)登録推薦に関する情報やプロセスを公開すること、(3)観光利用などで懸念される遺産を管理していくためにコミュニティの参加を重視した地域に即した管理体制を構築すること、(4)侵略的外来種の管理体制を構築すること、(5)管理計画の範囲を広げて完全性を確保すること、の5点を盛り込んだ。

NACS-Jでは1990年から南西諸島の世界遺産登録を要望し、日本政府の推薦を受けて奄美・琉球諸島の自然保護問題に取り組んできた。

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