アプリ利用「相乗りタクシー」の成約率は1割、実証実験の結果が公開、気になる点は「同乗者とのトラブル」が最多 ―国土交通省

国土交通省はこのほど、都内でおこなった相乗りタクシーの実証実験結果をとりまとめた。この実験は、2018年1月22日から3月11日まで、東京23区、武蔵野市、三鷹市にわたって、配車アプリを通じて実施したもの。車両は大和自動車交通グループ、日本交通グループの949両を使用した。

それによると、期間中の相乗りタクシーの申し込み人数は5036名で、そのうち494名が実際に利用し、マッチングの成立率は約1割だった。利用者は男性が約7割(369名)が多数。時間帯別では、申し込みが最も多いのは19時から23時だったが、実際の利用人数(マッチング率)が最も多いのは13時から18時台。曜日では、申し込み人数、成立人数ともに金曜日がもっとも多く、土曜日(2%)と日曜日(0%)の成立割合は低い結果になった。

利用者へのアンケートによると、相乗りタクシーの利用目的は「帰宅・帰省」(42%)が最多。次いで「ビジネス」(28%)、「通勤・通学」(18%)と続いた。相乗り運賃については、「安いと思う」(74%)が最多。本格導入後の利用意向でも、74%が「また利用したい」と回答した。

国交省:報道資料より

一方、実証実験に合わせて国交省が実施したネット経由のアンケートによると、約5割が相乗りタクシーを利用する際に最も気になる点として「同乗者とのトラブルに巻き込まれるのではないか」と回答。相乗りタクシーを利用したくない理由では、「相乗りする人がどういう人になるかわからないから」という理由が最も多く、男性で約6割、女性で約7割が回答したという。

国交省:報道資料より

マッチング方式では、乗車地と降車地を自由に選択して同方向に向かう人をマッチングする「フリーマッチング」は申し込み人数が4586名に対して成立割合が5%。一方、一か所の乗車地で同方向の目的地に向かう人を募集する「この指とまれ方式」は申し込み人数が450名で成立割合は60%となったという。

なお、国土交通省では2018年10月1日より、地域の需要に応える新たなサービスとして「変動迎車料金」と「定額タクシー運賃」の実証実験を開始する。変動迎車料金では、「少し高い料金を払ってでも優先的に配車を受けたい」とのニーズに対応するほか、タクシー業者の生産性向上も検証する。一方の「定額タクシー運賃」は、利用区域や回数などの条件の範囲で、一定期間、定額で乗り放題とするもの。運転免許を返納した高齢者の通院や、共働き夫婦の子どもの通塾など、各地域の事情に合わせた用途を検証する。

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