ナビタイムトラベルが目指すOTAの新モデルとは? 経路探索技術を持つトラベル事業の独自性と成長戦略を責任者に聞いてきた(PR)

タビマエからタビナカ、タビアトまでの一気通貫のサービス提供は、多くのオンライン旅行事業者が目指しているところ。しかし、ナビタイムジャパンのメディア事業部兼トラベル事業部事業部長・毛塚大輔氏によると、タビマエの旅行計画の段階で7割の人が「手間」を感じているといい、「経路検索から旅行計画、予約手配まで、実はバラバラに行なわれているのが現状」と指摘する。

多くの事業者が全霊をかけるこの命題に、「NAVITIME Travel」(ナビタイムトラベル)はどのように取り組むのか。インターネット上で宿泊や交通チケットを取り扱う企業でありながら、同社を「OTAであるが、OTAではない」という毛塚氏に、その違いから成長戦略までを聞いてきた。

経路探索技術を活かした旅行サービスとは?

ナビタイムジャパンは2016年に第2種旅行業に登録し、航空券やホテルの予約機能を提供する「NAVITIME Travel」を開始。既存のOTAと大きく違うのは、旗艦サービスの総合ナビゲーションサービス「NAVITIME」などで提供する経路検索を活用した旅行サービスであること。つまり、旅行プランニングと手配を同時にできるようにした点だ。

検索した経路の発着空港、ホテル情報などを引き継いだまま、航空機やホテルの予約機能をシームレスに提供。さらに、サイト上に表示される地図で位置関係を把握しながらプランニングし、行きたい観光地や飲食店などのスポットをタイムラインに追加すると、移動に適した経路や交通手段、所要時間を自動計算してルートを提案する。ウェブ版とアプリ版があり、ウェブで手配した旅行計画や航空券・宿泊などの予約情報をアプリで一元管理することも可能で、タビナカもモバイルでサポートする。

もう一つユニークな点は、同社が扱うラインナップ。航空券や新幹線など一部の交通機関は「NAVITIME Travel」が販売するが、高速バス、レンタカー、タビナカのレジャーなどの販売では、OTAをはじめ高速バス販売サイトや飲食予約サイト、アクティビティ予約サイトなどと連携。宿泊予約でも、「NAVITIME Travel」内での販売だけでなく、楽天トラベルやじゃらんからJTB、エクスペディア、Ctrip(シートリップ)までメタサーチ並みに揃える。

実は、ナビタイムジャパンではBtoBのメディア事業として、交通事業者やOTAに自社の技術、データ、プラットフォームなどを提供しており、トラベル事業でのホテル、レジャー、高速バス、レンタカー、グルメといった旅行素材の拡充はスムースに進んだ。

毛塚氏は「旅行会社やOTAが競争相手という考え方はしていません。連携することで共存し、一緒に旅行業界を盛り上げていきたいという意識を強く持っています」と力を込める。

目指すのは、旅行のきっかけから計画、手配、移動、現地まで、1つのサービスでシームレスに利用してもらうこと。「各社の情報を見ながら旅行プランニングをして、必要な予約をしていただきたい。旅行に必要なものを繋いでユーザーの手間を省き、快適な移動をサポートできればと考えています」。

スポットの位置関係や移動時間を考慮した旅行プランの作成が簡単に行える。
様々な企業と連携して旅行プランから飛行機やホテルなども予約できる

西日本豪雨時に航空券予約の取り扱いが急増した理由

経路検索が基盤の「NAVITIME Travel」ならではの強みが、旅行販売で如実に表れたエピソードがある。今年7月に発生した西日本豪雨時の航空手配だ。

当時、豪雨の影響で山陽新幹線や中国地方の在来線が一時全面運休し、高速道路も総延長約2000キロが通行止めとなった。しかし、その状況でも、どうしても移動が必要な人はいる。そんな需要に対し、運休や予約状況とリアルタイムで連動した検索結果として、出雲/羽田/高松、伊丹/羽田/北九州など、その時点で移動できるパターンを表示した結果、航空券予約が通常の4~5倍に急増した。

毛塚氏は「ここまでの乗り継ぎを提案できるのは、当社だからこそ。空港ごとの乗り継ぎ時間を搭乗口の位置関係まで細かく調べているので、あらゆるニーズに対応できるのです。これからは突発的な災害時などにも活きてくるとみています」と自信を示す。

旅行プランニングという「NAVITIME Travel」の独自性を、経路探索技術のアルゴリズムとともに実現しているのが、約900万件に上る施設情報とその保守作業だ。その範囲は、ホテルや駅、飲食店はもちろん、駐車場、企業の主な営業所までに網羅している。

連携先のサイトからの情報提供や、クローリングでウェブサイトを巡回してチェックすることも多いが、小規模施設は同社スタッフが営業時間からクレジットカードの利用可否、WiFi状況などを確認している。更新は1日3回以上。徹底したデータ整備が旅行プランニングの質を高めている。

経路検索の基盤が「NAVITIME Travel」の強み。飛行機の乗り継ぎ時間も考慮した乗換案内は、
テクノロジーの精度とそれを支えるデータ整備が、トラベル事業で他社が入り込めないキモとなる

タビナカよりもタビマエに注力

オンライン旅行の主戦場がタビナカに移行しているなか、「ナビゲーションはもともと、旅先で必要とされるツール。経路検索や時刻表、地図などタビナカの移動は、当社としてはこれまでも接点を有してきたと思います」と毛塚氏。いま、「NAVITIME Travel」が顧客接点で力を入れている領域は、タビマエだ。旅行メディアとして、観光コンテンツの配信に力を入れる。

掲載するのは、もちろん同社の経路探索技術を活用して作ったモデルプランの特集記事。移動や滞在の所要時間、観光施設の営業時間などを考慮し、無理なく快適に回りきれる観光スポットやグルメ、体験などの魅力を、社内編集チームの独自取材で紹介している。

トラベル事業の開始から2年。直近1年間で利用者数は4~5倍に伸びており、3割は訪日外国人だ。ビジネス利用が多い「NAVITIME」とは異なり、女性が6割と多いのは「特集記事やモデルプランなどを通じて情報感度の高い方が利用されている」からで、観光コンテンツ整備の成果が出ている。ただし、「ウェブ版の利用が多いため、1年前に開始したアプリで観光コンテンツを読んでもらい、そのまま利用に繋がれば」と、さらにアプリを強化する考えだ。

特に「訪日外国人旅行者に事前にアプローチする機会はインターネットが有効。接触を広げるためにも、タビマエの情報をさらに充実させたいです」と力を入れる。

「NAVITIME Travel」では、特集記事やモデルプランなどの観光コンテンツを提供。
訪日外国人向けの記事などは外国人ライターが担当する

2020年までにサービスの完成系を目指す

「NAVITIME Travel」が目指す姿は、「旅行に関するあらゆる人・コト・モノを繋ぎ、発見・計画・手配・移動を一つのサービスで提供する」こと。しかし現在、「NAVITIME Travel」でも、まだリンクしていない部分がある。これに対し、「東京オリンピックが開かれる2020年までにはさらにシームレスに繋ぎ、完成系にしたい」(毛塚氏)との目標を立てている。

では、具体的にはどのように完成系を目指すのか。「強化軸は2つ。タビナカ素材とモデルコースのさらなる拡充です」(毛塚氏)。

タビナカでは、旅行中に使用してもらえるツールであるとはいえ、「体験型アクティビティ、手荷物預かり所など、まだ充実させる分野は多い」とし、ソリューションを持つ企業との連携を進める方針。

ナビタイムジャパンのメディア事業部兼トラベル事業部事業部長・毛塚大輔氏

また、モデルコースでは、すでに観光コンテンツとして掲載するモデルプランのなかから、気に入ったプランをベースにカスタマイズできるようにしているが、今後は自治体との連携も強化し、バラエティを拡充する。

一例として今夏は、新潟県と共同で訪日外国人向けサービスを活用した実証実験を実施。訪日外国人の動態調査のほか、冬季に比べて旅行者が少ないグリーンシーズンの魅力を訴求するため、モデルコースや特集記事、動画をはじめとする積極的なプロモーションを展開した。

自治体が持つ観光資源などを活かし、「観光地の魅力を『NAVITIME Travel』で効果的に紹介することで、更なる誘客に貢献できればと思います」(毛塚氏)と、地域活性化に繋がる施策としても取り組む。新潟県以外では、神奈川県伊勢原市と連携し、紅葉シーズンの渋滞回避や観光情報を提供するなど、周遊促進策を打っている。

地方の観光情報やモデルプランを提案し、地方自治体の観光プロモーションにも貢献

「旅行の手配は、観光情報の収集から計画、予約まで、工程が複数にありすぎて分かりにくかった。これを統合することで旅行者の手間を省けます。皆様に便利に旅行をしていただくためにも、求められている情報やサービスを提供し、『NAVITIME travel』上の旅行プランニングから旅行を始めるシームレスな旅行スタイルを促進したいと思っています」(毛塚氏)。

「NAVITIME Travel」では2030年をめどに、日本人のアウトバウンドを基盤に海外でも同様のサービスを提供する計画である。日本発の新タイプのOTAの展開に今後も注目したい。

広告:ナビタイムジャパン

対応サービス:「NAVITIME Travel」「NAVITIME for Japan Travel」新潟県が提供する外国人向け観光情報サイト「Enjoy Niigata」新潟県プロモーション動画「Niigata Itinerary」

問い合わせ先:media-business-team@navitime.co.jp

記事:トラベルボイス企画部

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