中国民泊大手「途家」が日本で新展開、日本の地域の観光ブランディングに取り組む背景と強みをトップに聞いてきた(PR)

中国最大OTA「Ctrip(シートリップ)」傘下の民泊プラットフォーム「途家(トゥージャー)」は今年10月、新潟県魚沼市と観光連携協定を締結した。途家が日本の自治体と協定を結ぶのはこれが初めてのこと。「中国人富裕層の個人旅行を送り込みたい」と話す、途家・最高業務責任者(CBO)の李珍妮(リー・ジェンニー)氏は、訪日中国人の旅行先として日本マーケットが成熟していくなかで、日本の地方に成長の可能性を見出す。その先駆けとなるのが魚沼市だ。「長期的なパートナーシップを築いていきたい」と話す途家が見据える将来と日本の可能性について聞いてきた。

富裕層ユーザーも多い途家、四合院などユニークな物件も

「途家」と聞くと、民泊の予約プラットフォームという印象が強い。しかし、李氏は「中国の民泊の定義は日本とは違う」と話し、途家が取り扱う物件について説明する。宿泊予算を抑えたい旅行者向けの格安民泊物件もあるが、一室を貸し出す民泊ではなく、一棟貸しのバケーションレンタルとして高級宿泊施設も多く掲載し、富裕層ユーザーの利用も多いという。

「実は、途家が取り扱う物件の客単価は、一般的なホテルを取り扱うOTAよりも高い」と李氏。ミドルクラスの物件の平均宿泊料金は4つ星ホテルよりも高めに設定している。ユニークな物件も多く、例えば中国の伝統的家屋の四合院は富裕層に人気だが、4部屋の朝食付きで1泊2.8万元(約45万円)という物件もある。北京の四合院の平均宿泊料金は1泊1万元(約16万円)だ。そのユーザーの特長は、「広い施設で長期滞在を望み、四合院のような特徴のあるユニークな物件で、ローカル体験を楽しんでいる」ことだという。

途家では、今回の魚沼市との観光連携にあたって、地元の宿泊施設との契約を進めていく方針で、その基準は「特長のある温泉旅館など中国人富裕層が好むようなところ」と定める。

途家・最高業務責任者(CBO)の李珍妮(リー・ジェンニー)氏

魚沼の課題は中国人旅行者の現地滞在の拡大

魚沼市の外国人宿泊統計によると、2017年の宿泊施設利用者数(日帰りも含む)は、2015年の425人から2016年は712人、2017年は1,009人と年々増加している。昨年については、総数のうち中国人旅行者は852人と2位の韓国の125人を圧倒。これは、一部旅館が東京ディズニーリゾートに向かう中国人団体向けに、途中の宿泊地として商品化している成果だという。

そうしたインバウンドの現状のなかで、魚沼市が目指しているのが、訪日中国人旅行者による魚沼市内での滞在と周遊、そして現地消費の拡大だ。魚沼市商工観光課課長の星野隆氏は、「東京からだと湯沢までは来るが、魚沼市まで足を伸ばす旅行者はまだ少ない。今後は市内に立ち寄ってもらう長期的なスキームを構築していきたい」と説明し、途家との連携に期待をかける。

新潟空港着の旅客でも、富山や金沢など北陸に行く場合も多いといい、新潟県内への動線を引くため2次交通を含めて整備したい考え。これに向け、周辺自治体とも協力していくという。

李氏は、中国人旅行者の誘致について、「魚沼市が一般の団体客を惹きつけるのは難しいのではないか」との見解。一方、「中国のハイエンド旅行者は日本のローカル体験を楽しむ余裕がある。ゴールデンルートに飽きた旅行者には、魚沼市のような深みのある日本文化が受け入れられる」と中国市場のトレンドの一端を紹介する。

魚沼市の総合的な観光ブランディングを仕掛ける途家

李氏は、今年8月に初めて魚沼市を訪問した。その第一印象は「なんて静かな場所」。上海や北京を行き来している自身としては、癒しを感じたという。地元の食事も堪能し、「普段は炭水化物を取らないようにしているが、魚沼産コシヒカリはおいしくて、つい2膳も食べてしまった」と笑う。李氏は、これまでに仕事でもプライベートでも度々日本を訪れ、地方にも足を運んだ。「東京や大阪などの大都市は世界中どこも同じ。私のように、日本の地方のローカル体験を求めている中国人は多い」と話す。

中国人のあいだで魚沼市の知名度はほとんどないと言っていい。今回の観光連携に基づいて、途家は長期的な視点から、「ニュース性のあるイベントを仕掛けるなど、魚沼市の観光ブランディングを担うブランドア社と連携し、総合的に観光振興に携わっていく」考え。情報発信では途家だけでなく、親会社のシートリップやその傘下の旅行比較「Qunar(チューナー)」、途家が買収した台湾の民泊プラットフォーム「大魚(Fishtrip)」などでも行うほか、SNSなどニューメディアでも展開していく方針で、大規模なリーチが期待できる。

今回の協定締結にあたっては、中国からKOL(Key Opinion Leader)を招聘。魚沼の観光素材を視察し、SNSで発信してもらった。魚沼市によると、食文化や自然に関心が高く、囲炉裏でイワナ焼く風景など、見た目の美しさにも感銘を受けていたといい、「日本人とは目線が違う。KOLの写真を見れば、何が魅力的に映るのか参考になる」と話す。

この視察ツアーについては、今回の提携を支援した中国富裕層向け旅行メディア「行楽」も企画段階から関わった。最高経営責任者の袁静氏は「中国人は日本人以上にSNSへの投稿が大好き。拡散してもらうためにインスタ映えにもこだわった」と話す。

魚沼市は地元素材の磨き上げで着地型商品を造成

途家の取り組みの一方、魚沼市では着地型の商品開発に力を入れていく。魚沼市は市全体の約85%が森林。尾瀬の新潟側の入り口にあたるほか、駒ヶ岳や平ヶ岳など日本百名山なども多い。また、コシヒカリや発酵食品など地元に根づいた食文化や国重要文化財豪農の館「目黒邸」、石川雲蝶の彫刻がある西福寺開山堂と永林寺といった文化素材も豊富だ。「食と文化を中心とした素材を訴求していきたい」と星野氏。また、「魚沼市の差別化のひとつは豪雪」とも話し、近隣の湯沢や白馬のような大規模な雪のコンテンツはないものの、「かまくらの中の雪灯籠など、小規模な素材を着地型として磨いていきたい」と意欲を示す。

魚沼市は、途家との提携について地元の温泉旅館などにも説明を行った。本格的に外国人を受け入れるにあたって、「不安もあるが期待も大きい」ようだ。地元の料理グループが観光客向けに、重要文化財の豪農の館「目黒邸」で郷土料理を提供し、それを宿泊と組み合わせる試みを始めるなど、地域からさまざまなアイデアも出てきているという。「着地型をつくるうえで、最初はすごいものを造成しなければいけないと思っていたが、途家との取り組みのなかで、ありのままを磨き上げて売っていこうという考えに変わってきた。あとはそれをどう見せていくかだろう」と話す。

豪農の館「目黒邸」。地域の歴史と文化に触れられるコンテンツは、中国人富裕層を魅了する要素となる

途家、日本の自治体との協力関係に意欲

中国のアウトバウンド人口は年1億人以上。日本の最大のインバウンド市場は中国で、訪日旅行者は年々増加しているとはいえ、2017年は735万人、全体の1割にも満たない。「中国のアウトバウンドはこれからも堅実に伸びていく。それに伴って訪日旅行者も増えていくだろう。富裕層市場については、日本文化の影響を受けた80年代、90年代生まれのニューリッチと呼ばれる層が主力になっていく」と李氏。

中国人にとって、日本は時間と距離で優位性があるが、富裕層はそれだけの理由では行かない。李氏は、「日本の地方は、中国の富裕層を惹きつける理由付けをもっと議論すべきでは」と提言。そのうえで、途家は中国最大の宿泊予約プラットフォームであることから、「世界で一番、中国人の旅行トレンドを分かっている。日本の自治体に対してさまざまな協力ができる」と強調した。

途家は今後も、日本でのピーアールを包括的に請け負っている行楽とともに、日本の自治体との協力関係を増やしていきたい考えだ。「ただ、数が問題ではない」と李氏。「大切なのは、魚沼市のように中国人旅行者を誘致する魅力があるかどうか、地元が中国人旅行者受け入れに積極的かどうか」だという。途家は、単なる予約プラットフォームの枠を超え、中国人旅行者送客に向けて、日本の地域の観光ブランディングにも貢献していく。

途家と魚沼市の観光連携協定。右が途家・李氏、左が魚沼市長の佐藤雅一氏

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対応サービス:途家
問い合わせ先:シートリップ・ジャパン 代表電話 03-6262-7666

記事:トラベルボイス企画部

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