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世界大手の旅行卸BtoB「ホテルベッズ」が日本展開を加速、全日稼働のコールセンター設置へ

アジア地区リテール総括のスチュアート・デール氏

世界的な旅行卸しでBtoB事業を展開するホテルベッズ・グループは、日本市場への進出を加速する。日本の商習慣に合わせ、コールセンターを土日祝日含む全日稼働するほか、これまでドバイなどに集約していた緊急対応も日本市場向けに、日本で対応する体制を構築。ドイツの大手旅行会社TUIグループから離れ、2017年にはアジア太平洋・中近東マーケットに強いGTA、北米のツーリコ・ホリデイズを相次いで買収した同社が、飽和状態にある日本のBtoBマーケットでどう戦うのか。その戦略を聞いた。

ホテルベッズ・グループは、オンラインプラットフォームのベッズオンラインで、宿泊施設、オプショナルツアーなどを40カ国、5万社をこえる旅行会社に提供するホールセーラー。GTA、ツーリコの買収により、取り扱いはホテルが17万軒、オプショナルツアー1万8000件、送迎サービスルート2万4000件を超えるまでに拡大した。

今回、コールセンターの設置やスタッフの増員、トレーニングを含める多額の投資をしてまで日本に進出する理由について、アジア地区リテール部門を統括するスチュアート・デール氏は、「日本はインバウンドも含めてアジアの中で非常にポテンシャルが高い。ただ、他国と比べきめ細かいサポートが必要だとも理解している。私たちは、供給量はもとより、システムの使いやすさに自信を持っており、ソフトサービスをさらに強化することで日本の旅行業界ともよい形で連携できると判断した」と力を込める。

GTA、ツーリコのリテール事業をシステムでもベッズオンラインに統合する同社。日本市場におけるベッズオンラインの優位性について、日本リージョナルマネージャーの桝本達雄氏は、「取り扱いホテルが多ければいいわけではない。日本のエージェントからの問い合わせを集約し、ホテルを検索する際のフィルターを、予算、割引、Wi-Fi有無など20種類以上用意し、コンサルティング機能を高めたのがポイントだ」と語る。

直近でも今年11月にナビタイムジャパンの「NAVITIME Travel(ナビタイムトラベル)」と連携し、インバンドを含む国内宿泊商品の単品商品供給を開始したホテルベッズ・グループ。混とんとする日本市場で、新興勢力を開拓しシェア拡大図っていく。日本市場のリテール事業ではいまだGTAの取り扱いが85%に上るが、2019年初頭にはすべてをベッズオンラインに切り替える計画だ。