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【年頭所感】HISジャパン プレジデント 中森達也氏 ―積極的な「共創」でビジネスモデルの変化に対応を

エイチ・アイ・エス(H.I.S.)専務取締役でH.I.S.ジャパンのプレジデントを務める中森達也氏が2019年を迎えるにあたって年頭所感を発表した。

中森氏は2019年、HISグループがもつグローバルネットワークを最大限に活用するための「共創」を積極的に進めることで、急速に進む従来のビジネスモデルからの変化に対応していきたいとの想いを表明。レジャー需要の顧客だけでなく、長期的なコミュニケーションを通じて接する団体・法人・公務の顧客も対象に、「安全・安心」な旅行を提供していきたいと述べている。

発表された内容は以下のとおり。原文のまま掲載する。


2019年 新年のご挨拶にかえて

新春を迎え、謹んで新年のご挨拶を申し上げます。

平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。

2018年の旅行市場を振り返ると、世界的に豪雨・洪水・熱波などの気象リスクが目立ったものの欧州需要の継続・韓国の復調もみられ、海外旅行は、3年連続日本人海外旅行者数が前年を上回り、過去最高水準で推移しました。日本列島においても地震・台風など相次ぐ自然災害が多く発生したことで大打撃を受けた年でありました。各自治体、観光施設と連携した取り組みにより、復興に向けた動きも多く見られ、賑わいを取り戻す為に必要とされている“旅のチカラ”を改めて痛感することとなりました。

また、無資格ガイドの解禁、民泊新法施行が全面解禁、国際観光客税の創設など、国として環境の変化に対応する法改正がすすんだ1年でありました。今年開催されるラグビーワールドカップ、2020年の東京オリンピック・パラリンピック、2025年の大阪万博と世界的なイベントが続き、成長を続ける訪日事業においても、ハード面のみならず、ソフト面の充実にむけた対応が求められています。

そのような状況下において、お客様に期待以上の満足をご提供できるよう、旅行会社ならではのチャーター便の就航や、オンライン市場への対応、独自の企画商品の造成・サービスを展開して参りました。OTAの台頭、C2Cのサービス拡大など、これまでのビジネスモデルからの変化が著しいなか、H.I.S.グループがもつグローバルネットワークを最大限に活用する為の“共創”をM&Aなどの方法を駆使しながら積極的に行っていきたいと考えております。旅をしなければ感じる事の出来ない空気感や肌感覚、実体験からしか味わえない感動をお客様にどの様に提供していくか、今後の市場拡大には私たち旅行会社の役割が需要であると感じています。

一方で、H.I.S.にとってレジャー需要のお客様のみならず、長期にわたるコミュニケーションを持って接する、団体・法人といった業務、公務のお客様に対してのアプローチが必須であります。業務、公務での接点を通じ、やがてプライベートな旅行でのご利用をご検討いただく事につながる様、海外70ヵ国157都市274拠点を通じて、どの様な接点のお客様であっても「安全・安心」な旅の提供を行ってまいります。

また、世界の海外旅行者は2030年には年間18億人に成長を続けると予測されています。今後の高い伸びを示していくアジアを大きな潮流と捉え、海外現地法人におけるローカルマーケット向けのアウトバウンドを推し進めることは、その取り組みの一部が、日本の魅力を世界に向けて発信していく事にも繋がります。海外のアウトバンド事業強化により、訪日旅行が活性化し、国内旅行マーケットにも波及する効果を得られると考えております。またホテル事業においても2019年は、西日本への展開も本格的に稼働させます。旅行会社だから出来る送客力とホテル事業を通じて、日本各地の皆様とともに地域活性化にも寄与してまいりたいと考えております。

私どもH.I.S.は、創業39年目を迎えました。私たちを取り巻く環境はめざましいスピードで変化していますが、点ではなく線から面でお客様と関われることが出来るトータルプロデュース機能を持ったグローバル企業としての飛躍を目指し、旅を通じて人類の創造的発展と世界平和に貢献してまいります。

本年も引き続き、株式会社エイチ・アイ・エスおよびH.I.S.グループへのご理解、ご支援のほど宜しくお願い申し上げます。

株式会社エイチ・アイ・エス


専務取締役 H.I.S.JAPAN プレジデント
中森達也