羽田空港の発着枠配分が決定、国際線は9カ国でANA13.5便/JAL11.5便に、国内線は16枠を再配分

国土交通省は、2020年夏期ダイヤ(2020年3月29日〜)から拡大される羽田空港の昼間時間帯の国際線発着枠(年間約3.9万回)について、1日50便分の国別配分数を決定した。

それによると、すでに発表されているアメリカへの1日12便分に加えて、中国へ4便、ロシアへ2便、オーストラリアへ2便、インド、イタリア、トルコ、フィンランド、スカンジナビア(デンマーク、スウェーデン、ノルウェーの3ヶ国のいずれか)を配分にそれぞれ1便を配分する。

このうち、インド、イタリア、トルコ、フィンランド、スカンジナビアは昼間時間帯への新規就航国となる。インドについては、昼間時間帯に加えて、深夜早朝枠1便分を配分。また、中国については、成田、北京、上海に係る輸送力制限を大幅に緩和することも確認した。

日本の航空会社への配分については、現地航空会社とのコードシェアや訪日外国人旅行者の誘客を重視。アメリカ、中国、ロシア、オーストラリア、インドについては全日空と日本航空とも同等便を配分。イタリア、トルコ、スカンジナビアは全日空に、フィンランドは日本航空にそれぞれ配分される。これにより、日本の航空会社へ配分される1日25便分のうち、全日空は13.5便分、日本航空は11.5便分を運航することになり、アライアンスやコードシェアの関係上、両社で傾斜配分される結果となった。

全日空と日本航空への国際線配分数(報道資料より)

国内線はすべて地方枠として配分、新規参入枠も確保

一方、国内線については、国内線への増枠がないため既存の発着枠を航空会社から一部回収し、評価して再配分。訪日外国人旅行者の地方への誘客を図るため、再配分する枠は地方枠(非幹線)とするとともに、需要喚起などに向けた地域と航空会社の優れた提案を評価して発着枠を付与する「政策コンテスト枠」を2枠増やす(現行3枠と合わせて合計5枠に)。政策コンテストについては今年度中に実施予定。

また、 競争促進のため、将来、羽田空港に新規に参入しようとする航空会社が現れた場合に優先的に配分する「新規参入枠」を新設し、3枠を留保する(新規に参入しようとする航空会社が現れるまでの間は、 既存航空会社の暫定使用可)。

配分の見直しの結果、現在、羽田空港に就航している6社から回収対象となる保有発着枠から定率約5%(各社少なくとも1枠)ずつの計19枠を回収。新規参入3枠を除いた16枠を評価方式によって各航空会社に再配分した。それによると、日本航空は3枠、全日空は1枠減り、スカイマークが1枠増えることになった。

羽田空港国内線の再配分数(報道資料より)

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