京都市、オーバーツーリズム対策で混雑状況をAI予測、スマホにマナー情報のプッシュ通知も

京都市観光協会は、観光分散化の取り組みを推進するため、京都市と連携のもと京都観光オフィシャルサイト「京都観光Navi」で、快適に観光できる度合を示す「観光快適度」の見える化機能を実装した。これは昨年秋、嵐山地域で実施した実証事業で得られた成果を踏まえて実施するもの。

スマートフォン利用者の位置情報、天気、曜日、時間などのビックデータをもとに、AIによって市内全域及びエリア別の観光快適度を6ヶ月先まで予測し、5段階で表示する。

また、春・秋の観光シーズンは、「祇園・清水」「嵯峨・嵐山」「伏見」の3エリア内の観光スポットについて、時間帯別の観光快適度予測を表示するとともに、おすすめルートを紹介する。これにより、旅行の計画に活用だけでなく、観光中でも各スポットの快適に観光できる時間帯や、エリア内の穴場スポットを確認することが可能になる。

報道資料より

また、国土交通省近畿運輸局を実施主体とし、京都市、京都市観光協会、地元協議会などが連携し、秋の観光シーズンの祇園町南側地区において観光客へのマナー周知・啓発の実証事業を実施する。訪日外国人を含め近年の観光客の増加に伴い、同地区では観光客のマナー違反が問題となっていた。

実証事業の期間は今年9月30日〜12月8日。内容は、アプリ(Japan Travel by NAVITIME、TRAVEL JAPAN Wi-Fi)をインストールしているスマートフォンなどや、宿泊施設で無料貸出されているスマートフォン(handy)利用者に対して、マナー情報をプッシュ通信するほか、2名1組の巡視員(1名は英語又は中国語対応)2組が花見小路通界隈を巡回し、マナー違反をしている観光客を注意する。また、監視カメラ(地元設置)による監視を周知するためのポスターを掲示する。

このほか、パトカーでの多言語マナー啓発、大学生などによるマナー啓発グッズ配布、伝統芸能シアター「ギオンコーナー」でのマナー啓発動画の上映なども行われる。

これら対策は、京都市が「市民生活と調和した持続可能な観光都市」の実現に向けて開始する新たな取組みとして発表されたもの。このほか、市バスの混雑対策としてR西日本・京阪電車と連携して訪日外国人向け企画乗車券を発売、中国訪日観光客受入旅行会社連絡協議会の340社など国内外の旅行業団体への協力要請など各種取り組みを行っていく方針だ。

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