国宝「迎賓館 赤坂離宮」が挑む新たな誘客と接客の向上、トリップアドバイザー活用術を聞いてきた(PR)

世界中の旅行者に広く利用され、月間のユニークユーザーが4.6億人*1、クチコミ投稿数が8.3億件以上に上るトリップアドバイザー。旅行のクチコミからホテル・レストラン・タビナカ体験の予約まで、タビマエからタビアトまで一気通貫でサポートするツールとして旅行者の支持を集めている。

そんなトリップアドバイザーを活用し、観光事業者が誘客や接客の向上を図ろうとする取り組みが世界中で拡大。日本でも民間施設だけでなく公的機関にも広がろうとしている。たとえば、東北観光振興機構が東北6県でトリップアドバイザーの活用、オーナー登録の勧めを促進。群馬県は県庁の展望フロアに動画スタジオを開設し、2021年に旅行者からの高い評価を示す「エクセレンス認証」取得を目指している。

東京・四ツ谷で一般公開が開始された「迎賓館 赤坂離宮」もそのひとつだ。「国内外問わず、もっと多くの方に認知していくために、トリップアドバイザーを使わない手はない」と話す内閣府担当者のリアルな声を取材した。

一般公開の通年化で直面した、デジタルマーケティングへの問題意識

政府が進める観光立国のシンボルとして、2016年4月19日から一般公開の通年実施が始まった迎賓館赤坂離宮。1909年、日本で唯一のネオ・バロック様式の西洋宮殿である東宮御所として誕生以来、世界各国の国王、大統領などを迎え、外交活動の華麗な舞台として輝いてきた。2019年5月には米国のトランプ大統領が訪れたことも記憶に新しい、まさに現役の接遇施設でもある。一般公開の通年化(接遇に支障のない範囲で)でまたたく間に多くの人が訪れるようになり、入館者数は2016年度から3年連続で50万人を上回っている。

これだけ多くの人が訪れていても、トリップアドバイザーという新たなツールを利用して情報発信する背景には、デジタルマーケティングに対する強い問題意識があったという。「トリップアドバイザーには2018年3月にオーナー登録しました。迎賓館は2018年度であれば年間274日、事前予約なし(和風別館除く)で一般公開しているのに、いまだに参観できるのかというお問い合わせが少なくありません。公式ホームページ、Twitterに加え、もっと多くの方々に広く情報を届けたいという考えで始めました」。そう話すのは、内閣府迎賓館総務課総括課長補佐の寺越将幸氏だ。

「もっと広く迎賓館の情報を伝えたい」と語る寺越氏オーナー登録とは、実際の施設管理者がトリップアドバイザー上の施設ページの管理者として登録すること。オーナー登録することで、クチコミへの返信ができるのに加え、施設の詳細情報の入力、写真の編集、クチコミ評価レポート、ステッカーなどの無料の宣伝ツールといったさまざまな機能が利用できる。公式ウェブサイトにトリップアドバイザーのページを追加して宣伝することも可能。ホテルなどであれば、宿泊者にクチコミをリクエストしたり、非公開アンケートを募ったりしてサービスの改善につなげている施設もある。

クチコミで生の声を知る、ネガティブな声も改善への道

では、迎賓館赤坂離宮は具体的にどのように活用しているのか。まず、トリップアドバイザーのページをみると、一人ひとりのコメントへの細やかな返信が印象的だ。実際に返信を主に担当している内閣府迎賓館総務課調整係長の坂下日出行氏は、「参観者の生のお声を知ることができる場、今後のマーケティングのツールとして重要視しています」と話す。

もっとも、当初はネガティブな情報が書かれてしまうのではないかと心配する気持ちもあったという。「ただ、逆に受け入れ体制が厳重すぎるのではないかというお声には警備、セキュリティチェックをそのまま保つ一方で、職員にこれまで以上に柔らかな対応を指導するなど、お客様とコミュニケーションを取りながら、ソフト面を含めた施設全体の改善に努めています」(坂下氏)。

実際にクチコミへの返信を担当している坂下氏。丁寧なやり取りが印象的

実際、トリップアドバイザーがIpsos MORIと共同で世界中の旅行者やレストラン利用者約2万3000人を対象に実施した調査によると、77%の旅行者は施設管理者がクチコミに個別返信している施設を予約。84%が丁寧で礼儀正しい返信を重要視し、それによってより良い旅行の計画ができると回答しているという。ネガティブなクチコミであっても、施設管理者の謝罪を含めて、その背景を説明している返信を読むのは役立つという人も多い。

また、結果的にはよかった思い出をシェアしたい考える旅行者が多く、特に迎賓館赤坂離宮の場合は、評価平均も5段階中4.5で、港区の観光スポット636軒中6位という高い評価(2019年11月末時点)。オーナー登録前の2017年は10位台だったが、評価の高いクチコミが常に多く入っていることで上昇している。旅行者の疑問を放置せず、クチコミの内容からヒントを受けて誘客、認知度向上につなげているといえる。

魅力的な写真でアピール、実作業はSNSのように簡単

掲載ページの管理はクチコミ数アップにも役立つ。迎賓館赤坂離宮はオーナー登録の機能を活用し、トップページのメイン写真を国宝に指定された主庭を取り囲むツツジ、夜間のライトアップなどと、四季折々、特別な時期ならではのポイントを活かせるように工夫している。

ネット検索においては、画像が文章以上に旅行者への強いインパクトを与えるケースが少なくない。オーナー登録することで、ユーザーが投稿した端の切れた写真やパブリックイメージとは異なる写真がトップに表示されることを防ぐこともできるわけだ。

こうした実作業やオーナー登録はSNSと変わらないほど簡単。「仕事のすきま時間に情報のカスタマイズやクチコミ返信をすることもあります」(坂下氏)。翻訳機能を活用し、訪日外国人への返信にも積極的に取り組んでいる。また、一般的なSNSのタイムラインは縦に長かったり、時間経過によって流れていったりするのが大半だが、トリップアドバイザーは固定されるため、施設側にとって管理、情報提供がしやすい側面もある。

国内外への幅広い集客へ、「使わない手はない」

迎賓館赤坂離宮は、2020年1月1日から3日まで庭園(前庭・主庭)を無料公開するほか、1月5日までは本館正面にはパレードで使用したオープンカーを展示。天皇陛下のご即位に伴い、皇室ゆかりの地への旅として注目が高まっている。また、迎賓館には1964年の東京オリンピック組織委員会事務局が設置されていたことから、1月16日から3月10日までの期間、特別展を開催予定。

今後は、トリップアドバイザーやTwitterを活用し、国内外の幅広い層の誘客にも積極的に取り組んでいきたいという。現在、入館者の多くは日本人で、7割は40代以上、女性も6割以上と、セグメントの課題があるからだ。

「紙媒体による告知や周辺エリアへの看板設置といったアナログ手法がいまだ有効に機能している部分もありますが、トリップアドバイザーの多彩な機能を活用して国内外のさまざまな層にアプローチしていきたいですね」と意気込む寺越氏。旅行者から高い評価を得ている施設に送られる「エクセレンス認証」も活用していきたいという。

エクセレンス認証を得られると、トリップアドバイザーのページに認証バッチが自動的に表示されるだけでなく、オーナー登録をしている施設は無料で認定証やステッカーを入手して施設に掲示することもできる。認定のための条件は総合評価で5段階中4以上を獲得していること、最低限のクチコミ数を得ていること、12カ月以上掲載されていることの3つ。もちろん、迎賓館赤坂離宮も選ばれている。

トリップアドバイザー中でも評価の高い迎賓館

公的施設がトリップアドバイザーを活用する理由。それはどこにあるのだろうか。「一般公開の通年化が始まって4年。それ以前と以降でまったく変わった環境のなか、新しいチャンレジが求められると考えました」と寺越氏。坂下氏も「公的施設として、まだまだ民間の細やかさに届かない部分が多いと痛感しています。クチコミをみて、それを職員全体で共有しておもてなしの意識を醸成し、さらに具体的に対応することで、レベルアップしていきたい。使わない手はありませんね」と力を込める。

日本を代表する国宝が、率先して世界で活用されているデジタルテクノロジーを取り入れる――。その挑戦の意義はとてつもなく大きい。

出典:

*1 TripAdvisor internal log files, average monthly unique visitors, Q3 2019

オーナー登録に関する詳細情報は以下サイトまで。

https://www.tripadvisor.jp/TripAdvisorInsights/w746

広告:トリップアドバイザー

お問い合わせ:広報部 jp-pr@tripadvisor.com

記事:トラベルボイス企画部、REGION

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