中国人旅行者の海外旅行消費2019、上半期の総支出額は14兆円、「地方出発」「ひとり旅」「タビマエ予約」が増加

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中国決済サービス大手「銀聯国際(UnionPay International)」とオンライン旅行サービス「Trip.com(旧Ctrip/シートリップ)」はこのほど、共同調査報告書「2019年度 中国人アウトバウンド旅行消費レポート」を発表した。銀聯の決済データとシートリップの旅行予約統計データをもとに、中国人による海外旅行消費の動向を分析したもの。

それによると、2019年上半期の中国人アウトバウンド旅行者による旅行支出額は1275億米ドル(約14兆円)。旅行者の内訳は男性よりも女性のほうが10%多い一方、一人当たりの平均支出額は男性旅行者の方が高いことが分かった。

若年層で「ひとり旅」が増加、大都市圏以外からの海外旅行も拡大傾向に

地域別にみると、北京、上海、広州などの大都会だけでなく、地方からの海外旅行者も増加しているのが特徴。年齢別では、80年代以降生まれや60才以上が最も支出額の多い階層を構成し、2000年代以降に生まれた人たちは「ひとり旅」のトレンドを追っている傾向が明らかになった。

また、富裕層旅行者グループは、利便性と安全性の高い決済サービスを求める傾向が強く、若い世代はモバイル決済サービスを必要不可欠と考えているのに対し、シニア世代は「情報」を重視するといった、世代別のニーズも判明している。

新たな観光地への旅行者が増加、「タビマエ予約」も浸透

旅行先をみると、欧州、米国、およびオーストラリアの観光地が人気上位であることは変わらないが、今回初めて、ベラルーシ、ミャンマー、グルジア、ネパールなど、中国が掲げる巨大経済圏構想「一帯一路構想」に参加する国への訪問者が大幅に増加した。

また、中国人旅行者がホスピタリティ、食事、およびタビマエの予約を重要視していることもレポートは指摘する。「5つ星」ホテルに宿泊した旅行者が拡大しているほか、南太平洋や中東などでは、食事・飲物への支出が約60%増加。さらに、エンターテインメントやアトラクションでは、オンライン予約が大幅に拡大したという。

こうした状況を受けて、新年シーズンが近づく中、銀聯は新たなキャンペーンも展開。パートナーのシートリップと提携し、さまざまな特典や追加キャッシュバックのリワード提供を開始する予定だ。

なお、銀聯の非接触決済ソリューションQuickPass(クイックパス)は現在、中国本土以外の340万の加盟店で利用でき、2019年にはメキシコやチェコ共和国など5つの新たな旅行先の国が追加された。銀聯のQRコード決済が利用できる対応地点の数は45万ヶ所と、2019年上半期と比較して50%増加している。また32市場の銀聯カード保有者は現在、世界52の国と地域でタップ&ゴーまたはスキャン&ゴーの決済手段を利用できる。

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