総合旅行プラットフォーム「エアトリ」がAmazon Payを導入した狙いとは? 成約率向上からLCC販売促進までメリットを聞いてきた(PR)

テクノロジーの急激な発展で変革期を迎える旅行業界。なかでも、オンライン旅行予約の分野でビジネスの大きなカギとなるのが「決済」だ。消費者の日常生活の中でキャッシュレス化が進む中、非日常である“旅”を予約・購入する際にも日ごろ使い慣れた決済手段を利用したいというニーズは高い。こうしたニーズに多彩な決済のバリエーションを取りそろえて、ユーザーの期待にこたえているのがエボラブルアジアが展開する総合旅行プラットフォーム「エアトリ」だ。

「エアトリ」が提供する決済は、各種クレジットカードはもちろん、料金後払いのPaidy(ペイディー)、物々交換のモノ払いまで様々。同社が消費者ニーズに合わせて決済手段を拡充するなか、コンバージョン率(成約率)を改善するうえで、驚くべき効果を上げたのがアマゾン(Amazon)のID決済サービス「Amazon Pay(アマゾンペイ)」だ。その導入の理由から実装プロセス、具体的な数値効果、LCCの販売促進まで、エボラブルアジアの国内航空券販売事業部業務統括グループグループ長の村上賢優氏に聞いた。

大規模広告展開で飛躍的に増加したアクセス

総合旅行プラットフォーム「エアトリ」などを運営するエボラブルアジア。前身の旅キャピタル時代から国内航空券の比較検索に強いオンライン事業で知られてきたが、近年、らくだ倶楽部、DeNAトラベルの買収といった積極的なM&Aにより急成長している。取り扱う商材も国内全14社の航空券に加え、ホテル・旅館、国内外ツアー、ダイナミックパッケージ、夜行・高速バス、レンタカー、新幹線、アクティビティなど多岐にわたる。2019年9月期(2018年10月1日~2019年9月30日)の売上収益は前期比195%の242億2810万円と大幅増収した。

M&Aとともに、エボラブルアジアで特徴的なのが、さまざまなブランディング施策だ。「エアトリ」のインパクトあるテレビCM、ボクシングやアイスショーへの協賛、有名タレントを起用したイベントなど、パンチ力のあるブランド戦略は旅行業界でも特出している。実際、「エアトリ」への流入ユニークユーザー数は2018年10月から2019年10月にかけて、年間を通じて大幅にアップしている。

シンプルな入力で「カゴ落ち」を防ぐ

もっとも、テレビCMなどの大規模プロモーションは検索などでアクセスが大きく伸びる一方、実際のコンバージョン率(成約率)が下がるリスクもはらむ。実際、CM放映中はアクセスが通常の数倍に上ることもあるというが、認知度が高まってもトラフィックが伸びるだけでは収益拡大にはつながらない。エボラブルアジアが2019年9月期の大きな全社目標として掲げていたのが、認知度を高めるために投資を促進しつつ増益を図ること。このために重要だったのが、実際の予約・購入にいたるまでの手間を省きハードルを下げ、確実に成約率を上げることだった。

「旅行はただでさえ名前や生年月日、航空会社、時間帯の選択など入力事項が多いなか、メールアドレスやパスワードの確認、クレジットカード番号の入力などが加わればさらに煩わしくなる。せっかくCMなどを通じて興味を持っていただいてもカゴ落ち、すなわち購入フローから離脱することにもなりかねません。お客様の入力手順を少しでも簡素化することで、コンバージョン率を向上できないかと考えたのが、Amazon Payを導入した最大のきっかけです」。エボラブルアジアの村上氏はこう振り返る。

Amazon PayはAmazonアカウントに登録したIDとパスワードを使って、Amazon以外のECサイトでも簡単に購入できる決済サービス。Amazonアカウントに登録されている配送先やクレジットカード情報を活用するので、再度入力する手間が省けるため、最短2クリックで決済完了となる。他業種でも「劇団四季」のチケット販売やフードデリバリーの「出前館」をはじめ多くの大手ECサイトが導入している。

決済手順がシンプルなのでカゴ落ちも減ったと語る村上氏

導入でコンバージョン率が103~104%改善

「エアトリ」がAmazon Pay導入の検討を始めたのは2019年2月で、実際に導入した2019年5月までに要した期間は3カ月間。エボラブルアジアは日本のIT人材不足が叫ばれるなか、早くからベトナムにオフショア開発会社を設立しており、エンジニアには海外の人材が少なくない。「Amazon Payのシステム構築のためのドキュメントは多言語で用意されています。日本の決済代行会社には日本語のドキュメントしかないこともあるので、翻訳の工程が省けるなど実装する面でもスムーズに進めることができました。」と村上氏は語る。

導入から約半年。具体的にはどのような効果があったのだろうか。「導入前と現在を比較すると、国内航空券のコンバージョン率は103~104%改善しました。ひとつの決済手段の導入によって入力フォームの最適化を図る中でこれだけ改善できたのは非常に大きいととらえています」と村上氏は評価する。複数ある決済手段の比率は非公開だが、「他の決済手段の比率に変動はないので、純粋にAmazon Payでの売上が上積みされたとみています。いずれ国内航空券以外の商材にも横展開し、一気通貫で予約から決済までできる仕組みを構築していきます」。

Amazon Payの導入は、入金率の向上にもつながったという。国内航空券の場合、最大3日間の購入期限があるが、Amazon Payの場合はすぐに決済できる導線が用意されているため、予約だけ確保して後にキャンセルされるという旅行業にとっての大きなリスクを軽減することができたのだ。

Amazon顧客の新規取り込みに手ごたえ

Amazon Payの導入は、コンバージョン率や入金率の改善以外にもさまざまなメリットがあった。まず、Amazonの既存顧客を「エアトリ」の新規顧客として取り込む可能性が広がったこと。実際に、利用者から「旅行分野でもAmazon Payが使えるようになって良かった」という声も寄せられているという。

「旅行商品は比較的高額な場合が多いのですが、Amazon Payの導入によって日ごろから使っているAmazonアカウントが使えることから利便性が高いと感じていただき、購入のハードルが下がっているようです」(村上氏)。ユーザーが航空券の価格だけでなく、ECサイトの利便性と決済への信頼性を重視してECサイトで購入する心理の現れともいえるだろう。

「エアトリ」のスマートフォンやパソコンサイトでは、Amazon Payのロゴがトップページや決済画面で表示されている。Amazonが世界で認知されているグローバル企業であり、クレジットカードでの決済はAmazon独自の不正検出ルールなどを利用してセキュリティ対策を行うという信用の高さから、「安心して買える」という評価につながっている側面もあるようだ。

Amazon Payのロゴが表示されるためセキュリティの面でも安心感がスマートフォンのアプリでの決済画面

スマホとの高い親和性、LCCへの需要拡大を視野

将来的な経営戦略のなかで、エボラブルアジアがエアトリとAmazon Payとの親和性で重視するのが、スマホによる予約・決済の拡大だ。同社によると、エアトリのスマホとパソコンによる利用比率はスマホが大半を占めている。20~30代のユーザーが多く、ビジネスマンの利用も少なくない。村上氏は「最近は、自宅でじっくりパソコンと向き合うというよりも、移動中などの隙間時間を活用して航空券の比較検索から予約、決済まで済ませる人が増えています。電車の中でクレジットカード番号やメールアドレスを入力するのは、手間とセキュリティの両面で得策ではありません。Amazon Payの導入により、これまで以上に販売チャンスが広がると感じています」と語る。

『「エアトリ」ではアプリでの利用者を増やし、より「エアトリ」のファンを増やしていきたいと考えています。そこで、Amazon Payをアプリでの決済手段としても導入しました。導入時にはキャンペーンを行って、Amazon Payが「エアトリ」アプリでも使えることの認知促進を図りました。今後も、お客様の手間をできるだけ省けるように「簡単さ」を重視してサービスを充実させたいと思います。決済関連でいえば、すべてのサービスで使える決済手段を統一することを実現したいですね。


エアトリのお客様により利便性を感じていただけるようにAmazon Payをさらに活用していきたいと思います。』(村上氏)。

決済方法の広がりは、事業者にとってコンバージョン率の改善、新規顧客の開拓などのメリットがあるだけではない。旅行者側にとっては、これまでにないタイミングで旅行商品と出会い、スムーズに予約・決済が済むことで、柔軟な旅のスタイルや時間の使い方が生まれる可能性がある。今後の旅行業界全体への広がりで、新たな価値が増えていくことに期待したい。

「エアトリ」

広告:Amazon Pay

記事:トラベルボイス企画部、REGION

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