MICE開催地で沖縄が選ばれる理由とは? 豊かな自然で生まれた多彩な施設から個性的な体験プログラムまで取材した(PR)

日本を代表するリゾート地である沖縄は、MICEの開催地としても高い人気を誇る。特に2000年の九州・沖縄サミットでは、その自然美とともに政府要人クラスの受け入れも可能であることを世界に知らしめ、訪日MICEの利用も増加。開催件数はこの5年間で2割増となり、2018年には年間1238件が開催されるようになった。今年は、日本の観光産業で最大のイベント「ツーリズムEXPOジャパン2020」も開催される。

沖縄でMICEが注目される理由を取材した。現地で体感したのは、沖縄が提供できる価値とMICE主催者が求める本質とのシナジーだ。 ※写真は人気観光地「ガンガラーの谷」の天然洞窟を活かしたパーティの様子

沖縄MICEの3つの価値

沖縄県は、日本でも早期にMICE誘致を開始した地域のひとつだ。1987年の沖縄コンベンションセンターの開館後、企業の報奨旅行(インセンティブ)や国際会議(コンベンション)の誘致に取り組み、国内随一のリゾート地の基盤を活かしながら、「安心、安全、快適」や「多種多様な観光素材とMICEコンテンツ」などMICE開催地としての魅力を打ち出し、開催件数を伸ばしてきた。

さらに2017年には沖縄がMICE開催地として提供できる価値を象徴する「沖縄MICEブランド」を発表。なぜ沖縄でのMICE開催が主催者にとって魅力的なのか。実施してみれば体感できるこの真髄は、3つのエッセンスが基軸となっている。

沖縄MICEが提供する3つのブランドエッセンス(ブランドに込めた3つの要素)※概要

1.寛容な人と土地(万国津梁の思想)

琉球時代に、日本から東南アジアにわたって中継貿易をしてきた沖縄には、多様な価値観を受容し、すべての訪問者を受け入れる「万国津梁の精神」が受け継がれている。

2.豊かな自然が創出する非日常の空間

日本にありながら独自の歴史、文化、自然環境を持つ沖縄ならではの癒しの空間が、コミュニケーションを活性化させ、ひらめきや創造性、特別な体験を提供する。

3.アジアと日本をつなぐビジネス交流拠点

沖縄はアジアの各都市から直行便で4時間圏内の交流拠点。先端医療やバイオ、再生可能エネルギーなど、亜熱帯海洋島嶼型の先進課題研究が集積し、MICE参加者のビジネス・研究を加速させる環境がある。

沖縄がブランドストーリーで示すMICE開催地としての価値には、「多様性」「豊かな生態系を有する環境」「亜熱帯海洋島嶼型の先進課題研究(=沖縄だからこそ可能な先進課題研究)」といった、持続可能な社会実現に向けたキーワードが多く含まれている。長い歴史の中でこれらの課題に向き合い、その解消に取り組んできた沖縄は、MICEのテーマに社会的課題への対応を求める主催者が増えている中で、こうしたニーズに応えられる開催地の一つといえるだろう。

沖縄MICEのブランドロゴ。色は沖縄の海をイメージ。「対話」を起点に湧き出すインスピレーションや繋げられたアイデアが、「新たな価値」を創造する姿を表現

沖縄の風土が魅力を添える多彩なMICE会場

MICEで重要なイベント会場では、ホテルやリゾートのほか、人気の観光施設から世界遺産まで、独自の歴史や文化、自然環境に育まれた沖縄のコンテンツがフル活用されている。

亜熱帯の森と洞窟の散策で人気の観光スポット「ガンガラーの谷」では、入り口の600平方メートルある広々とした天然鍾乳洞が、MICE会場としても人気。本部町の海洋博公園では、「沖縄美ら海水族館」に続き、新たに熱帯の植物園「熱帯ドリームセンター」がユニークベニュー(MICEの個性的な会場)として受入れを開始した。

海洋博公園にある熱帯ドリームセンターでは園内の「回廊」を会場として使用可能。沖縄の気候と古代遺跡のような建築物、熱帯の植物が織りなす独特の雰囲気が魅力

また、ホテルやリゾートの新規開業が続く沖縄では、MICEの会場も続々とオープンしていることになる。恩納村に2018年に開業した「ハイアットリージェンシー瀬良垣アイランド沖縄」は、周囲が国定公園で、ありのままの自然に囲まれたリゾート。2020年1月にプレオープンした「ホテルコレクティブ」は、那覇観光の目抜き通りである国際通りの街中で480平方メートルの大宴会場を有し、アフターMICEも楽しめる会場となる。

ハイアットリージェンシー瀬良垣アイランド沖縄。宴会場以外にもロビーエリアや屋外エリアなどMICEで利用できるスペースが多い

文化の伝承に刺激を受ける体験プログラム

また、MICEの成功に欠かせないのが、参加者の意欲を高めるエクスカーションやチームビルディングなどのプログラム。観光地である沖縄には、海や陸上のアクティビティから歴史・文化由来のものまで多彩なプログラムがある。

例えば、「エイサーのまち」として地域活性化に取り組む沖縄市コザの「エイサー会館」では、班ごとにエイサーを習って披露しあうチームビルディングの企画を用意。豊見城市の「沖縄空手会館」でも空手を教えるプログラムを行なったところ、好評だった。いずれの施設も、MICE会場としての利用も可能だ。

首里城近くにある「瑞泉酒造」の泡盛醸造見学ツアーや、「首里琉染」での紅型とサンゴ染め体験なども、MICEでの体験プログラム活用できる。このうち首里琉染は、沖縄の伝統文化である紅型の復興と染色技術の伝承を目的に京都の染織作家が設立。県外の人の力を受け入れたことで伝統が守られ、新たな文化となる「サンゴ染め」も開発された。

首里琉染のサンゴ染め体験。サンゴの化石に布をかぶせ、染料をしみこませた布をこするだけ。20分くらいから誰でも簡単にできる

新たな切り口で見る沖縄MICE

インスピレーションを掻き立てるという点では、島嶼県の課題を克服しようと工夫する沖縄企業の視察もMICEでの訪問先として適している。

今回訪れた株式会社トリムでは、リサイクル事業で廃ガラス瓶から人工軽石を生産しており、その工程と開発背景を説明する工場見学を受け付けている。ガラス瓶は一部を除いて再利用されず、廃棄されるのが一般的だが、それをトリムは粉砕して焼成発泡し、緑化、断熱、園芸、水質浄化、建築、土木などに活用できる人工の多孔質軽量発砲資材「スーパーソル」を開発した。つまり、ゴミから資材を生み出すことに成功したのだ。

なぜこのような発明ができたのか。実はマーケットの限られる沖縄では、リスク分散のために多角経営をする企業が多く、新規事業への挑戦にも躊躇がない。トリムでは居酒屋経営で排出された酒瓶の量に驚き、活用を考えたのがリサイクル事業のスタートだったのだ。

また、「沖縄科学技術大学院大学(OIST)」は沖縄の先進性の象徴として注目したい施設。世界トップレベルの研究機関を目指して2011年に設置された大学院大学で、世界各地から教授や学生が集まる。沖縄が世界から学術的に注目される場となっている。

OISTは約500名収容の講堂と会議室からなるカンファレンスセンターがある。条件を満たしたイベントは学外の主催での利用が可能で、2018年には計102件の学術会議が開催された ©OIST/Ginter

大型MICEへの対応、地域で受け入れる取り組みも

一方で、沖縄のMICEにも課題はある。それは、大型MICEを受け入れられる施設が少ないことだ。その課題を解消する施設として期待されるのが、沖縄市に建設中の「沖縄アリーナ」。最大1万人を収容する同施設は、スポーツ&エンターテイメントビジネスが確立している米国の施設を参考に設計されており、スポーツ以外にもコンサートやMICEでの利用に対応できる最新設備を備える。

今秋開催の「ツーリズムEXPOジャパン」は4日間で3万6000人の来場を見込む。会場の「沖縄コンベンションセンター」は、シアターと展示場、会議棟の全施設を使用するのはもちろん、近隣のホテルなども会場とする。沖縄コンベンションセンターでは以前から近隣施設や協議会などと連携会議を持ち、地域一帯で大型MICEに対応してきたのだ。

沖縄MICEに携わるすべての施設と人に共通するのは、ひらめきや創造性。それに出会うことでMICEの主催者、参加者、そして受入側もともに発展し、未来へ繋いでいく。それが、沖縄が目指すMICEの形だ。

沖縄アリーナの完成予想図。VIP用のスイートルーム専用フロアも設置し、国内の既存のスポーツ施設とは一味違うイベントの仕掛けが可能になりそうだ

広告:一般財団法人沖縄観光コンベンションビューロー

お問い合わせ:おきなわMICEナビ沖縄MICEブランドについて

記事:トラベルボイス企画部

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