トラベルボイストラベルボイス | 観光産業ニュース 読者数 No.1

サービス連合、2026年春闘で賃上げ6%要求、一時金は4ヶ月、労働条件の向上や中間層以上の改善も

サービス・ツーリズム産業労働組合連合会(サービス連合)は、2026年の春季生活闘争(春闘)の方針を発表した。今年も賃金改善で基本「6%」(1万9984円)の要求を掲げ、中期的な賃金目標「35歳年収550万円」の実現を目指していく。

サービス連合では過去2年間、賃上げの正念場とし、2024年は5%、2025年は6%の改善を掲げ、2年連続で5%以上の賃上げを実現した。会長の櫻田あすか氏は「企業側が人材への先行投資を重視し、労働側もその必要性を訴えた。その共通点が見えた表れ」と評価しながらも、「最低賃金の改定や人手不足への対応としての防衛的賃上げもあった」と指摘。21世紀の基幹産業となるためには「社会的風潮に依存することなく、自らの手で勝ち取っていく必要がある」と話し、サービス・ツーリズム産業の魅力を高める未来志向の闘争へ、フェーズを上げたことを強調した。

改善率「6%」は、物価上昇率や他産業との格差是正を踏まえて定めた。このほか、一時金は中期的な賃金目標「35歳年収550万円」の実現に必要な水準として「年間4カ月」とし、すでに達成した加盟組合は前年実績以上、さらには5.5カ月以上を目指す。また、利益を作り出し、中期的な賃金目標の達成へつなげられるよう、高付加価値化などの事業展望や、労務費を含めた適正な価格転嫁と取引の実行など商慣行の議論も促していく。

総合的な労働条件の向上も大テーマに

賃金改善だけではなく「総合的な労働条件向上」も大きなテーマとする。労働時間の短縮や勤務間インターバル制度の導入、ジェンダー平等による多様性・包摂性の実現、カスハラ対策や、子の看護休暇・介護休暇の有給化など、これまでも取り組んできた労働環境の整備も要求していく。交渉にあたり、要求の根拠や交渉材料として活用できるよう、組合員2000名規模を対象にした「健康と労働に関するアンケート2025」を実施し、その結果を共有した。

一方で、賃金改善については、人材獲得競争や離職防止を念頭に若年層向けの一律改善が多く、中間層以上の取り組みがなかなか進んでいないことにも言及。サービス連合が重視する「誰もが働きたい、働き続けたい産業への転換」を意識し、春闘に取り組む考えを示した。

なお、この数年、中期的な賃金目標「35歳年収550万円」について、日本経済を支える基幹産業にふさわしい水準として「さらに高みを目指すべきではないか」という意見が、加盟組合の中から出始めているという。サービス連合では中期的な賃金目標「35歳550万円」を達成した組合は、連合の主要組合のモデル年収「635万円」、さらには中央労働委員会(中労委)の年収試算「725万円」へと、段階的に取り組むことも確認した。

2025年冬賞与は平均1.60カ月、年間は3.32カ月に

サービス連合によると、2025年秋闘で12月16日までに合意・妥結した集計可能な45組合の冬季一時金支給月数は、単純平均で1.60カ月(2024年:1.43カ月)となり、いずれの業種も前年を上回った。ホテル・レジャー(27組合)は1.43カ月(同1.36カ月)、ツーリズム・航空貨物(18組合)は1.87カ月(同1.59カ月)。内訳は、ツーリズム(13組合)が1.49カ月、航空貨物(5組合)が2.85カ月。(ツーリズムと航空貨物それぞれの前年比は発表なし)

夏冬の年間一時金は、85組合の単純平均で3.32カ月(同3.10カ月)。ホテル・レジャー(45組合)は2.89カ月(同2.81カ月)、ツーリズム・航空貨物(40組合)は3.80カ月(同3.52カ月)。内訳は、ツーリズム(30組合)が3.55カ月、航空貨物(10組合)が4.53カ月となった。

なお、組合数は2025年と前年で異なる。