UNツーリズムは、2026年第1四半期(1〜3月)の世界観光統計を発表した。同期間の国際旅行者数は、前年同期比2%増の約3億700万人に達した。年初の1月と2月は、累積2.5%増と堅調な需要が見られたが、3月に発生した中東情勢の悪化で同月の伸びは0.4%にとどまった。中東情勢の影響から、UNツーリズムは2026年通期の成長予測について、当初の3〜4%から1〜2ポイント下方修正する見通しだ。
地域別の動向では、欧州が前年同期比4%増(約1億3000万人以上)、アフリカが4%増と好調を維持した。アジア・太平洋地域は3%増、南北アメリカは2%増となった。一方、中東地域は紛争の影響を直接受け、14%減と大幅に落ち込んだ。
今後の見通しについて、2026年5月〜8月の観光信頼指数は105となり、年初の117を下回った。観光信頼指数は、UNツーリズムが観光専門家への調査をもとに、今後の見通しを数値化した指標で、100を上回ると前期よりも良好、100を下回ると前期よりも悪化とされる。中東情勢の不確実性や渡航コストの上昇を背景に、専門家の間では慎重ながらも楽観的な見方が続いている。
なお、6月から7月にかけて開催される2026 FIFAワールドカップは、開催国であるカナダ、米国、メキシコの観光需要を牽引すると予測している。