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世界の航空業界、2026年純利益は半減か、旅客需要は過去最高水準も燃料高で利益圧迫 ―IATA見通し

国際航空運送協会(IATA)は、2026年の世界の航空業界の財務見通しを発表した。中東情勢による混乱と急激な燃料費の高騰が主な要因となり、業界全体の純利益は前回予測からほぼ半減し、230億ドル(約3兆6800億円)にとどまると予測している。

2026年の純利益230億ドル(約3兆6800億円)は、前回予測の410億ドル(約6兆5600億円)や、2025年の推計値450億ドル(約7兆2000億円)から半減する厳しい結果だ。純利益率も2025年の4.2%から2.0%に縮小するとみている。一方で旅行需要自体は旺盛で、旅客数は前年比2.4%増の51億人、総収益は同9.4%増の1兆1650億ドル(約186兆4000億円)と過去最高水準を見込んでいる。座席利用率も84.0%と記録的な高水準が予想されるが、需要拡大の一方で利益が削られる構造が浮き彫りとなっている。

収益悪化の最大の要因は燃料費の急騰だ。ジェット燃料価格は2025年の1バレル90ドル(約1万4400円)から152ドル(約2万4320円)へと約70%も跳ね上がる見通し。燃料コスト全体では前年の2520億ドル(約40兆3200億円)から3500億ドル(約56兆円)へと膨らみ、営業費用に占める割合は31.4%に達する。また、持続可能な航空燃料(SAF)の調達コストや、航空機の納入遅れによる旧型機の維持費増なども経営の重荷となっている。

この状況に、航空各社は運賃値上げなどで対応しており、航空券収益は8390億ドル(約134兆2400億円)、付帯収入などは1650億ドル(約26兆4000億円)に達する見込みだ。一方で、IATAのウォルシュ事務総長は「乗客1人あたりの純利益は前年の半分の4.50ドル(約720円)に落ち込む。これはワールドカップ会場でホットドッグすら買えない額だ」と語り、新たなコスト増や税金の上昇に耐える余裕がないと危機感を示した。

地域別で明暗

地域別でみると、中東の航空会社は空域制限などの打撃を受け、唯一の赤字となる43億ドル(約6880億円)の純損失を見込む。北米や欧州、アジア太平洋地域などは黒字を維持するものの、事前の予測からは軒並み下方修正された。

しかし、旅行者の意欲は衰えていない。航空業界は、底堅い需要に支えられながらも、コスト急増という強烈な逆風の中で利益を確保する厳しい舵取りを迫られている。

※ドル円換算は1ドル160円でトラベルボイス編集部が算出