元トラベルジャーナル専務取締役で、日本エコツーリズム協会の設立に携わった高梨洋一郎(たかなし よういちろう)氏が逝去した。85歳だった。
高梨氏は早稲田大学政治経済学部政治学科を卒業後、旅行業界のリーディングメディアであった「週刊トラベルジャーナル」の編集長、専務取締役などを務め、日本の海外旅行市場が大きく成長した時代に、ジャーナリズムと調査・研究の両面から旅行産業の発展を支えた。
1998年、日本エコツーリズム協会の前身となる「エコツーリズム推進協議会」の設立に参画し、初代事務局長を務めた。その後、2008年にエコツーリズム推進法が施行され、自然環境の保全、観光振興、地域振興、環境教育を一体的に進める枠組みが政策として整備された。高梨氏らの活動は、それに先立ち、エコツーリズムの理念を旅行業界と地域社会に広げる土台となった。
旅行業界の変化を伝え続ける
海外渡航が自由化された1964年以降、日本の海外旅行者数は急速に増加した。高梨氏は「週刊トラベルジャーナル」の編集を通じて、日本人の海外旅行が一般に広がっていく動向と過程を旅行会社や航空会社、政府観光局などに伝え続けた。 旅行商品の企画や流通、航空政策、海外旅行市場の変化などを継続的に取り上げることで、業界内の情報共有と人材育成に貢献した。
また、海外旅行評論家として、1970年代から1990年代にかけてNHKや民放にも出演し、旅行業界の動向を広く社会に伝えた。
日本旅行業協会(JATA)の「ツアー・オブ・ザ・イヤー」や「ツーリズム・アワード」の運営にも関与。優れた旅行商品の企画を評価し、旅行会社の企画力やマーケティング力の向上を促す取り組みを支えた。
謹んでご冥福をお祈りいたします。