政府による観光需要喚起策「GoToトラベル」キャンペーン。2020年7月27日から割引販売が一部事業者で始まる一方、団体旅行の取り扱い、東京発着を支援対象外にしたことへの対応などで現場が混乱しているとの声も少なくない。観光庁が7月25日付で発表したQ&Aから旅行者への対応に関する最新情報をまとめた。
ポイントやマイルを宿泊事業者側が設定するプランは対象外
まず、旅行・宿泊代金をポイントやマイルで支払う旅行者もいるだろう。これらは支援の対象で、あくまで元の旅行・宿泊代金をもとに支援額が算出される。一方で、宿泊事業者側がポイントや航空マイルを設定するプランは支援対象外だ。観光庁は、いったん価格を引き上げたうえで、ポイントや航空マイルを多く付与することにより、国の支援額を不当に多く引き出す詐害的行為を防ぐためとしている。
27日にクーポン配布を開始し、キャンペーンを始めたYahoo!トラベルでは「ヤフープランのPayPayボーナスライト上乗せプランにはご利用いただけません」と注意を促している。
グループでも都内在住の同行者は支援対象外
東京都民の旅行は現時点で支援対象外。団体や小グループ、家族旅行の場合、基本的には事業者が代表者の居住地を運転免許証の提示などで確認する。しかし、旅行業者や宿泊施設が代表者以外の同伴者の居住地の確認を求めることが認められており、都内在住の同行者はいずれも支援対象外となる。
キャンペーンを見込んで旅行を予約した都民、東京を目的地とした旅行者も少なくなく、すでに7月10~17日に予約した旅行者はキャンセル料がかからず、旅行業者などの実損分を政府が補填することになった。この実損分とは、旅行会社は宿泊施設、バス会社などの手配先に支払う費用、宿泊施設はすでに調達した食材などが想定されている。費用は「GoToトラベル」事業から補填される予定。
還付には予約記録がわかる書類、取消料規定などの提出が必要だ。ただし、具体的な還付の詳細はいまだ未定で、観光庁によると、個々に証明するのではなく、平均的に生じる負担額を支払う方法も含めて検討しているという。
セルフチェックインの施設も本人確認は必要
また、若者や重症化しやすい高齢者の団体旅行、大人数の宴会を伴う旅行がリスクが高いとされている。GoTo事業に参画する宿泊施設には、感染防止策が求められている。その運用方法で、観光庁はすべての宿泊施設は、検温や本人確認が必要としている。これらは、セルフチェックインのホテルも例外でなく、全施設に求めている。ただし、検温結果や運転免許証などのコピー保管までは必要ないとした。
なお、これは現時点(2020年7月27日段階)の情報であり、今後、感染状況によって変更される可能性がある。