世界20か国の企業経営陣が感じるリスク、環境対策でのトップは「顧客喪失」と「ブランド力の低下」、ESG経営では人材に課題

企業コンサルタントEY社が、ハーバード・ロースクールと実施した調査によると、企業の法務部門や経営陣のサステナビリティ施策に対する評価が不十分である実態が明らかになった。この調査は、世界20カ国の法務統括責任者と経営陣1000人に対して行われたもの。

調査結果によると、経営陣は気候変動や二酸化炭素削減など環境問題に対する企業へのリスクを十分に理解していると答えた法務統括責任者は全体のわずか15%にとどまった。また、多様性、従業員の福祉や安全管理など社会的課題に対するリスクについても、経営陣が理解していると答えたのは39%だった。

さらに、所属する企業が環境目標を明確に定義していると答えた法務統括責任者は22%と低い結果となった。

環境対策について、法務統括責任者の77%が投資家や規制当局からの圧力を感じていると回答。また、企業が直面するリスクについて、最も多かった回答は、環境対策による顧客の喪失とブランド力の低下で77%。投資への障害(60%)、新しい基準への対応(59%)が続いた。

最大の課題として挙げられたのは、規制当局から明確な指針が示されていないこと。法務統括責任者の92%が、明確な規制のない社会的課題に対して企業ルールを策定するのは困難と回答した。

このほか、ESG経営についても調査。99%の法務統括責任者が仕事量が急激に増加したと回答。96%がサステナビリティ対応として新たな専門家が必要と答え、94%が十分な予算がないと回答した。

今後の対応としては、新規採用や人員の再配置など社内のリソースを活用すると答えたのは20%。46%は社内リソースとテクノロジーを組み合わせた戦略を進めると回答。また、34%は社内リソースと外部サービスプロバイダーを組み合わせると答えた。

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